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東日本フィギュアスケート概論2022

【2022年版】東日本フィギュアスケート概論 第10講 茨城編

こんにちは!大学院修了フィギュアスケートファンのLenaです!

東日本フィギュアスケート概論シリーズ第10講、茨城編を始めます!(過去同シリーズは→2019年2021年)
依然有観客での大会が限られる中、2021-22シーズンは五輪もあって、フィギュアスケートに注目が集まりました。一ローカルフィギュアスケートファンとして、普段拝見する機会が多い東日本の選手の魅力をもっと知ってほしいと、講義という名のもと、記事を書かせていただきます!

北海道から始まったこの東日本概論シリーズ、第8講で新潟編で東北・北海道ブロック編が完結しました。第9講の長野・山梨編から関東ブロックの紹介に入っています。第10講は茨城編です。全中・インハイ・国体を茨城代表で出場した選手を紹介します。

(これまでの講義の一覧はこちらから)

※所属クラブ等のデータは2022年3月時点で、一般に公開されているものを基準にしてます。4月から所属先等変更がある場合は併記します。

それではいきましょう!!!


No.50 花田実優選手 (ハナダ ミユウ)

所属 宇都宮フィギュアC
プログラム
SP コットン・アイ・ジョー
FS マラゲーニャ
今季主な成績
2021年関東選手権 ジュニア 12位
第42回全国中学校スケート大会 35位

茨城県内の中学校に通う3年生の選手です。隣県の栃木県内に本拠点に置くクラブに所属しています。今季がジュニアデビューシーズンでした。ブロック大会に、全中は茨城代表で出場を果たしました。

ひとたび演技を観れば、キレのある動き、そしてなんといっても
キュートなスマイル
に心を奪われること間違いありません。
リンクを目いっぱい使い、最初から最後まで踊っている姿が観ていて爽快な選手です。
エレメンツ面での成長が著しく、昨季はトリプルジャンプを組み込んでいなかったとことが、今季サルコウを決め、更に全中ではループとフリップに挑んでいました。

SPは現役時代親日家のスケーターとして知られていたショーン・ラビットさん振付です。北米の民謡として知られている曲で、黄色いフリンジが沢山付いた衣装がまず目につきます。
アップテンポな曲に合わせ、最初から最後まで動きまくる、踊りまくる、とにかく可愛い!!と言いたくなるプログラムです。
フィニッシュでピストルを撃つような振付は反則ですと言いたくなります。

FSは冒頭に口ずさみながら滑っているように見え、フラメンコの曲に合わせ、凜とした動きが印象的なプログラムです。

今年度は進路の年となります。来季は、どんなプログラムを披露するのか非常に楽しみです。笑顔輝く演技を沢山拝見できる機会に恵まれることを願ってます。

No.51 塙雪月花選手 (ハナワ キララ)

所属 笠松FSC
プログラム
SP 月光(作曲:ルードヴィヒ・ベートーヴェン)
FS 舞台『リバーダンス』より『ファイヤーダンス』
今季主な成績
第77回国民体育大会冬季大会 フィギュア競技予選会 少年女子 30位
第71回全国高等学校スケート選手権大会 73位

茨城県内の高校に通う2年生の選手です。県内を本拠点とするクラブに所属し、全中、インターハイ、国体で茨城代表として活躍してきました。東京五輪では聖火ランナーとして走り、ブロック大会に2度出場した実績があります。

難しそうな動きをしてから高く飛ぶジャンプに、運動神経の良さ感じる動き、美しいポジションのスピン、音に合わせた演じ分けが光る選手です。

今季新しくしたSPは、クラッシックのピアノソナタに挑戦しました。前半の静かなメロディーではしっとりと、後半テンポが上がったところでステップシークエンス(StSq)を持っていき、情熱を感じ、メリハリの効いた演技が印象的でした。

FSは2021年8月に行われた『関東サマートロフィー 2021 エントリー・使用曲・コーチ一覧』によると、長きにわたって継続して使用しているものの予定でした。ただコロナの影響で観れる回数が制限され、今季も一般のファンの前(オンライン上を含む)で披露できる機会がないままとなりました。

SPのみとなりますが、2022年インターハイの公式アーカイブ映像をご覧ください↓

参考
出典:フジスケHP
関東サマートロフィー 2021 エントリー・使用曲・コーチ一覧
映像
出典:インハイTV YouTubeチャンネル
SP(1:43:58~1:49:27、指定された時間から再生します)

長きにわたり通年リンクの無い茨城で、コツコツと練習を積み重ねていました。来季は沢山拝見できる機会に恵まれ、一つでも多く成果を発揮できることを願ってます。

No.52 猪股早哉子選手 (イノマタ サヤコ)

所属 駒場学園高校→?
プログラム
SP ラ・ヴィ・アン・ローズ(歌:ルーシー・トーマス)
FS シェヘラザード→ユー・レイズ・ミー・アップ(歌 ケルティック・ウーマン)
今季主な成績
2021年東京選手権 選手権 20位
第77回国民体育大会冬季大会 フィギュア競技予選会 少年女子 4位
第71回全国高等学校スケート選手権大会 18位

3月に高校を卒業しました。明治神宮外苑スケート場やKOSE新横浜スケートセンターを中心に練習を積み重ねています。全中やインターハイは東京代表、国体は茨城代表で出場してきました。
過去に東日本ジュニア選手権に出場、インターハイで2年連続決勝に進出した実績があります。

一度見たら忘れられない
純白なスケーティング
が最大の持味です。深いエッジを使っていて、身のこなしが美しく、もうスケーティングだけであっても永遠に見続けたいと思わせる選手です。

今季新しくしたSPは、シャンソンに初挑戦しています。日本では『バラ色の人生』としても知られているエディット・ピアフの名曲を、ルーシー・トーマスがカヴァーした音源を使用しています。
まず、スタートポジションを取る時から目を惹きます。衣装のバックのデザインの良さが綺麗さを増しています。
歌詞を一つ一つ丹念に拾った動きで、思いを伝えていき、見ごたえのある演技でした。見惚れていたら、もう、あっという間でしたね。

最初のFSは今季新しくしたものです。スケートのタッチの柔らかさ、芯の強さが曲とマッチしていて、もはや幻想的でした。透明感あり、優しく、可憐な演技が印象的でした。
インターハイの時までには、2017-18シーズンの途中から2020-21シーズンまで長きにわたって使用したプログラムに戻しました。美しいヴォーカルに合わせ、優雅に奏でるような滑りが極上の一時に感じることでしょう。猪股選手と言えばこのプログラムとなりましたね。

出典:インハイTV YouTubeチャンネル
SP(29:39~35:42、指定された時間から再生します)
FS(57:21~1:04:26、※解説有、指定された時間から再生します)
※ジュニア課題での実施

この春から大学生になったということで、進路が気になるところです。来季以降どんなプログラムを披露するのか楽しみにしてます。どうかステイヘルシーに、充実した大学生活とスケート人生となりますように。


次のページにも続きます。ぜひご覧ください💨

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東日本フィギュアスケート概論2022

【2022年版】東日本フィギュアスケート概論 第9講 長野・山梨編

こんにちは!大学院修了フィギュアスケートファンのLenaです!

東日本フィギュアスケート概論シリーズ第9講、長野・山梨編を始めます!(過去同シリーズは→2019年2021年)
依然有観客での大会が限られる中、2021-22シーズンは五輪もあって、フィギュアスケートに注目が集まりました。一ローカルフィギュアスケートファンとして、普段拝見する機会が多い東日本の選手の魅力をもっと知ってほしいと、講義という名のもと、記事を書かせていただきます!

北海道から始まったこの東日本概論シリーズ、第6講第7講は宮城、第8講で新潟編で東北・北海道ブロック編が完結しました。第9講の今講座から関東ブロックの紹介に入ります。まずは長野と山梨からです。長野と山梨それぞれの県のスケート連盟に所属選手(3月まで含む)や、全中・インハイ・国体代表歴のある選手を紹介します。

(これまでの講義の一覧はこちらから)

※所属クラブ等のデータは2022年3月時点で、一般に公開されているものを基準にしてます。4月から所属先等変更がある場合は併記します。

まずは長野の選手からいきましょう!!!


No.43 井口せな選手 (イグチ セナ)

所属 東海大諏訪高校
プログラム
SP River Flows in You(演奏:イルマ)
FS 映画『ロミオとジュリエット』より
今季主な成績
2021年関東選手権 ジュニア 11位
第77回国民体育大会冬季大会 フィギュア競技予選会 少年女子 13位
第71回全国高等学校スケート選手権大会 39位

長野県を主に練習を積み重ねる高校2年生の選手です。
2018年に長野県で行われたアイスショー『Heroes & Future 2018 in NAGANO』でソロ演技を披露、全中・インハイ・国体で長野代表として活躍してます。

ディープエッジで滑りつつ軽やかで、エレガントな所作が随所に光り、どの瞬間も見所な演技を披露する選手です。

今季はSP・FS共に新しいプログラムにしました。

SPはピアノの美しい音色を繊細に拾った滑りが目を惹きます。冒頭からの動きに注目していたいです。しなやかな動き、清らかなスケーティングと美しい一時を描く姿が印象的です。

FSはフィギュアスケートでは王道のプログラムを選びました。1番最後のエレメンツにジャンプを持っていき、着氷してすぐにフィニッシュポーズを決める構成となっております。
優美な所作でドラマチックに描く演技が印象的でした。

SPのみとなりますが、2022年インターハイの公式アーカイブ映像をご覧ください↓

出典:インハイTV YouTubeチャンネル
SP(1:01:01~1:06:40、指定された時間から再生します)

指先までしっかりと綺麗で、観て気持ちの良い選手ですね。今はリンクが閉鎖している時期となりますが、どうか上手く練習でき、また来季演技を拝見するのを楽しみにしてます。

No.44 大久保政宗選手 (オオクボ マサムネ)

所属 長野日大高校
プログラム
SP 映画『ヘンリー五世』より
FS 映画『遥かなる大地へ』より
今季主な成績
2021年関東選手権 ジュニア 3位
第38回東日本ジュニア選手権 12位
第77回国民体育大会冬季大会 フィギュア競技予選会 少年男子 9位
第71回全国高等学校スケート選手権大会 30位
第77回国民体育大会冬季大会 スケート競技会 フィギュア競技 少年男子 22位

長野県内にある私立高校ではトップの進学校に通いながら、競技に取り組んでいます。4月から2年生になりました。
2018年に長野県で行われたアイスショー『Heroes & Future 2018 in NAGANO』でソロ演技を披露、2020年全日本ジュニア選手権に出場した実績がある選手です。

大久保選手の演技を見ると真っ先に
ノーブルさ
が印象に残ります。所作が非常に上品で、なぜだか光って見えるのですよ。エレメンツの間に多彩な技を取り入れ、それらをシームレスに滑りこなし、見ごたえのある演技を披露しています。

昨季は2種類のトリプルジャンプだったところを、トリプルルッツ(3Lz)を構成に組み込む大会もありました。今季はSP・FS共に新しいプログラムにしました。

SPは、鍵山優真選手(オリエンタルバイオ/中京大学)の振付を多く手掛けていた佐藤操先生に初めて依頼しました。
スタートのポーズからスマートさが満ち溢れ、上品な所作を活かした振り付けの数々に見惚れていきます。群衆のコーラスの曲にステップシークエンス(StSq)を充て、盛り上がる所でイーグルは大正義!と言いたくなるのですよ。もう、映画のタイトルの通りの王子様です。

FSは前のFSと同じく、駒場幸大先生が振り付けました。前回は映画『ミッション』よりの『ガブリエルのオーボエ』が流れていたら、最後の最後で映画『アンタッチャブル』よりのサウンドトラックが流れて観客を驚かせてしまうプログラムでしたね。今回は映画『遥かなる大地へ』より『The Land Race』を中心に使用しています。
スタートのポーズから凛々しさが伝わってくるでしょう。バレエジャンプをしてからジャンプなどを、常にアクティブな振り付けをこなしながら、壮大なドラマを描く姿が強く印象に残ります。正統なカッコよさに溢れるプログラムです。

どんな演技なのか気になるかと思いますよね。ここはぜひ、2022年国体の公式アーカイブ映像をご覧ください↓

出典:国体チャンネル
SP 1月24日スケート(フィギュア) (15秒のCMのあと)7:04:22~7:09:53
FS 1月25日スケート(フィギュア) (15秒のCMのあと)3:38:25~3:44:21

真面目で、品の良い演技がもう眼福ですね!来季もどうかステイヘルシーに、磨き上げた演技を披露できることを願ってます。

No.45 入江美友選手 (イリエ ミユ)

所属 Mエイトクラブ
プログラム
SP サーカス『O』より(演奏:シルク・ドゥ・ソレイユ)
FS 映画『ちはやふる ‐結び-』より『つながれ つながれ! つながれ!!』
今季主な成績
2021年関東選手権 ノービスA 3位
第25回全日本ノービス選手権大会 ノービスA 12位
第42回全国中学校スケート大会 15位

長野県内の学校に通い、山梨を主な拠点とするクラブに所属する中学2年生の選手です。来季から本格的にジュニアに参戦します。
全日本ノービス選手権に2年連続で出場、今季はブロック大会で表彰台、更には全中では長野県代表として出場し、FSに進出と飛躍のシーズンとなりました。

腕の動きの美しさがとりわけ目を惹き、表情豊かな演技が持味の選手です。昨季はトリプルジャンプがサルコウと1種類だったところを、ルッツとフリップを構成に組み込んで一気にレベルアップしました。

全中で一般のファンの前(オンライン上)で初披露となったSPは、シルク・ドゥ・ソレイユのサーカス演目『O』より2曲をつないだ音源を使用してます。前半は、綺麗な音色を拾って、しなやかに動き、後半『Tzelma』の所でStSqを充て、全身を大きく使い、躍動感溢れる滑りを披露するというメリハリが印象的でした。

今季新しくしたFSは、競技かるたを主題にした映画のサウンドトラックの中から1曲のみを使用しています。スケートでちはやふるの使用は珍しいです。
膝立ちの状態からスタートし、柔らかな音楽に合わせ、情景を伝えていく演技が印象的でした。おそらく、かるたをしている中で感じたことを表現しようとしてるのではと思いました。

来季から本格的にジュニアに参戦するということで、どんな演技を披露するのか楽しみにしてます。どうかステイヘルシーに、来季も力を発揮できますように。


長野は以上です!綺麗なスケーティングと所作の両方で魅せる選手が多いと感じています。
次のページは山梨の選手の紹介です。ぜひご覧ください💨

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東日本フィギュアスケート概論2022

【2022年版】東日本フィギュアスケート概論 第8講 新潟編

こんにちは!大学院修了フィギュアスケートファンのLenaです!

東日本フィギュアスケート概論シリーズ第8講、新潟編を始めます!(過去同シリーズは→2019年2021年)
依然有観客での大会が限られる中、2021-22シーズンは五輪もあって、フィギュアスケートに注目が集まりました。一ローカルフィギュアスケートファンとして、普段拝見する機会が多い東日本の選手の魅力をもっと知ってほしいと、講義という名のもと、記事を書かせていただきます!

北海道、青森、第5講は秋田・岩手、第6講第7講は宮城の選手を取り上げました。第8講の今講座では新潟編、そして東北・北海道ブロック編最終講となります。新潟県スケート連盟所属選手や、国体新潟代表選手を紹介します。

(これまでの講義の一覧はこちらから)

※所属クラブ等のデータは2022年3月時点で、一般に公開されているものを基準にしてます。4月から所属先等変更がある場合は併記します。

それでは行きましょう!!まずは中学生の選手からです。



No.37 武田結仁選手 (タケダ ユウジン)

所属 アイビスSC
プログラム
SP 不明
FS Way Down We Go(歌:カレオ)
今季主な成績
2021年東北・北海道選手権 ノービスA 6位
第25回全日本ノービス選手権大会 ノービスA 6位

4月から中学生になりました。新潟市内を中心に練習を積み重ねています。
2019年から3年連続で全日本ノービス選手権で入賞してきた実績のある選手です。来季から本格的にジュニアに参戦する予定です。

武田選手は、
踊りにずっと注目していたい
と思うほど、音を捉えて動きに転換するセンスが傑出しているのです。またエレメンツも表現の1つとして溶け込ませ、年々高難度化が進んでいます。今季は5種類のトリプルジャンプ、更にはコンビネーションジャンプのセカンドジャンプをトリプルトゥループ(3T)を組み込んだ構成に挑んでいました。

ノービスになってからは、映画『コーラスライン』より、『ドント・ストップ・ミー・ナウ』とアップテンポで明るい曲を選んでいました。そう考えると、今季新しくしたFSは、今までのイメージを大きく覆す曲を選んだと感じました。スローテンポで独特な曲に筆者は大変驚きました。音の取り方が非常に難しい曲を、いとも簡単そうに、クールに踊りこなしていく姿に度肝を抜かれました。

SPは新潟県内で行われたローカル大会で披露しているものの、無観客のため一般にはまだ曲名すら分からない段階です。FSは難しい曲を高い表現力で滑りこなしていることを考えると、一体どんな曲を選び、どんな構成で、どんな振付なのか非常に気になります。

先ほどからFSの曲が難しいと書いていますので、FSの曲のMVをご覧ください↓

出典:KALEO
KALEO – Way Down We Go (Official Music Video)

来季はSPも拝見できるチャンスが訪れるはずです。武田選手の抜群な踊りのセンスを沢山拝見できる回数が増えると思うと、とてもワクワクしますね。どうかステイヘルシーに、今度こそは現地で沢山の観客を魅了する演技を披露出来ますように。

No.38 金子ヒロ選手 (カネコ ヒロ)

所属 新潟FCKZ
プログラム
SP 映画『アルマゲドン』より『ミス・ア・シング』
FS 映画『ピンク・パンサー』シリーズより
今季主な成績
2021年東北・北海道選手権 ノービスA 3位
第25回全日本ノービス選手権大会 ノービスA 32位
第42回全国中学校スケート大会 22位

4月から中学2年生になります。季節リンクの柏崎市を中心に練習を積み重ねています。先ほど紹介した武田選手と共に、激戦のブロックを4年間勝ち上がって全日本ノービス選手権に出場してきました。来季から本格的にジュニアに参戦する予定です。

綺麗な所作からにじみ出る踊り心で、ファンを惹きつけていく選手です。

全中にて一般のファンの前(オンライン上)で初披露となったSPは、エモーショナルな曲に合わせて、自分の思いの丈をぶつけた演技が強く印象に残ります。勢いありつつ、洗練された所作が光ってましたね。

昨季から継続のFSは、振付と共に、衣装にも注目のプログラムでした。コミカルに滑っていると、中盤で突然衣装が変わるという仕掛けが施されていたのです。技と技のつなぎにも様々な動きがあり、遊び心満載な踊りが観ていて楽しい演技でした。

来季からは本格的にジュニアということで、演技を拝見できる機会が増えそうですね。どんなプログラムを披露するのか、非常に楽しみにしてます。どうかステイヘルシーに、調整できますように。

No.39 岡本和彩選手 (オカモト カイ)

所属 アイビスSC
プログラム
SP ユーアー・ザ・リーズン(歌:カラム・スコット&レオナ・ルイス)
FS シー・ユー・アゲイン(歌:ウィズ・カリファ)
今季主な成績
2021年東北・北海道選手権 ジュニア 1位
第38回東日本ジュニア選手権 16位

4月から中学3年生になりました。今季ジュニアデビューした選手です。
2020年全日本ノービスAクラスで8位入賞、今季ブロック大会で優勝と活躍しています。

スピードを全く落とさずにジャンプを跳ぶ姿にまず驚き、体のしなりを活かし独自の世界を表現する姿に心奪われることでしょう。
これまで、映画『ヒックとドラゴン』より、ドラマ『JIN-仁-』より、『Steps(演奏:シークレット・ガーデン)』と、シーズンごとに違う曲調にチャレンジし、自分のモノにしていました。
今季一般のファンの前で初披露となったSP、新しくしたFSは、どちらもプリンス・アイス・ワールドのキャストとして活躍する小平渓介さんが振付ました。驚くほど大人びた演技に沢山のファンを驚かせました。

SPは村元哉中選手/髙橋大輔選手組(関西大学KFSC)がEXで使用したことによって、話題となった曲ですね。ボーカルの呼吸としっかりと合わせながら、垢抜けた所作の数々で魅了していくプログラムでした。最後のポーズが斬新で、見終わったあとの余韻が響いていくのですよ。SPだけを観ても、衝撃が走りましたね。

FSは宇野昌磨選手(トヨタ自動車)がEXで使用していた曲としても知られています。雨が降る音から始まり、スピードをガンガンに出してジャンプを跳びつつ、ボーカルのパッションを受け止めてまた外に思いを伝えていく演技に引き込まれます。小平さんの振付は、ユニークさがありながらも美のツボをしっかり押さえている動きが印象に残るのですよ。岡本選手の美しい体のしなりとマッチして、強烈なインパクトを残していきました。どんな結果であっても、終わった後に響くものがありましたね。

SPとFSの曲のMVが、アーティスト公式YouTubeチャンネルに投稿されていますので、参考までにご覧ください↓

参考
出典:フジスケHP
東北・北海道ブロック 選手情報詳細
映像
SP音源
出典:Calum Scott
Calum Scott, Leona Lewis – You Are The Reason (Duet Version)

FS音源
出典:Wiz Khalifa
Wiz Khalifa – See You Again ft. Charlie Puth [Official Video] Furious 7 Soundtrack

一つ一つの歌詞の意味を大切にし、滑っていく姿に心打たれたシーズンでありました。昨年12月の大会を棄権して以降は、大会へのエントリーがありません。どうかステイヘルシーに、来季演技を拝見できることを願い、楽しみにしてます。


個人的に、『新潟の踊る三銃士』と呼んでいる選手の紹介でした。踊り心の方向性が三者三様で、観ていて面白い選手達です。
次のページ高校・大学生の選手の紹介です。ぜひご覧ください💨

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東日本フィギュアスケート概論2022

【2022年版】東日本フィギュアスケート概論 第7講 宮城編part2

こんにちは!大学院修了フィギュアスケートファンのLenaです!

東日本フィギュアスケート概論シリーズ第7講、宮城編part2を始めます!(過去同シリーズは→2019年2021年)
依然有観客での大会が限られる中、2021-22シーズンは五輪もあって、フィギュアスケートに注目が集まりました。一ローカルフィギュアスケートファンとして、普段拝見する機会が多い東日本の選手の魅力をもっと知ってほしいと、講義という名のもと、記事を書かせていただきます!

北海道、青森、第5講は秋田・岩手の選手を取り上げました!第6講から2回に分けて宮城の選手を取り上げます!第7講の今回は宮城編最終講となります。4月から高校2年生~大学生になる、宮城県スケート連盟に所属する選手を紹介します。

(これまでの講義の一覧はこちらから)

※所属クラブ等のデータは2022年3月時点で、一般に公開されているものを基準にしてます。4月から所属先等変更がある場合は併記します。

それでは行きましょう!!



No.31 藤﨑鈴選手 (フジサキ スズ)

所属 東北高校
プログラム
SP アルメニア・ラプソディ
FS ピアノ協奏曲第2番 ハ短調(作曲 セルゲイ・ラフマニノフ)
今季主な成績
2021年東北・北海道選手権 選手権 8位
第71回全国高等学校スケート選手権大会 75位

宮城県内を中心に練習を積み重ねている高校3年生の選手です。
今季シニアデビューを果たしました。
昨季はジュニアカテゴリーで東日本に進出した実績があります。

パワフルでかつ足さばきスムーズなスケーティングから、繰り出されるダイナミックなジャンプ、表現が持味です。

SP・FS共に昨季から継続のプログラムになります。

SPではエキゾチックな曲に合わせた滑りが印象的でした。パリッとした音にしっかりと合わせ、ダイナミックな演技に圧倒されました。スピンやジャンプの位置が大幅に変更されていました。
FSではゆったりとした曲に合わせて、壮大なスケール感を描いていく姿が印象的でした。力強さのなかにも優美さがあり、クラシックのメロディーの調べに乗せた演技でした。

SPのみとなりますが、2022年インターハイの公式アーカイブ映像をご覧ください↓

出典:インハイTV YouTubeチャンネル
SP(3:23:16~3:28:13、指定された時間から再生します)
※ジュニア課題での実施

来季は進路を決める大事な年、どうかステイヘルシーに、納得のいく道を選べることを願ってます。可能であれば、来季もまた演技を拝見できる時を楽しみにしてます。

No.32 森本美羽選手 (ナカガワ リョウ)

所属 東北高校
プログラム
SP 映画『ラストエンペラー』より『Rain』
FS 映画『グレイテスト・ショーマン』より『Never Enough』
主な成績

2021年東北・北海道選手権 ジュニア 7位
第38回東日本ジュニア選手権 26位
第71回全国高等学校スケート選手権大会 40位

宮城県内を中心に練習を積み重ねている高校3年生の選手です。
バッジテスト6級のため、ミニマムポイントを突破した上で、ブロック大会に出場しました。今季東日本に進出を果たす等大飛躍のシーズンとなりました。

コンビネーションジャンプのセカンドジャンプにループを取り入れています。正確で丁寧な滑り、そして最大の見所はスピンです。軸が細く1点で回り、回転速度が速く、綺麗なポジションで回るスピンがプログラムを引き締め、大きな見せ場となっています。

昨季から継続のSPは、美しいメロディーに乗せ、たおやかに舞う姿が美しいと感じるプログラムです。まるで1本の線で繋がったような、エレガントな世界観に目を惹かれます。

今季新しくしたFSは、映画『グレイテスト・ショーマン』の名曲の1つ『Never Enough』をほぼ1曲使用した音源となっています。SPでよく単独で使われていますが、FSで単独で使用するのは珍しいと感じました。
後半3つのジャンプ全てをコンビネーションジャンプにし、要所で得意のスピンでフライング足替えコンビネーションスピン(FCCoSp)も含め、レベルをしっかりと取っていく構成にしています。
女性ボーカルに合わせ、美しくしなやかに思いを伝える姿が印象に残ります。

SPのみとなりますが、2022年インターハイの公式アーカイブ映像をご覧ください↓

出典:インハイTV YouTubeチャンネル
SP(25:42~30:25、指定された時間から再生します)

進路の年と重なる来季も、可能ならまた演技を拝見できればと願っています。どうか、この先もステイヘルシーに、美しい演技を披露出来ますように。

No.33 中川涼選手 (ナカガワ リョウ)

所属 仙台FSC
プログラム
SP Gopher/Drumdown Mambo(歌:イマ・スマック/Whethan Feat. Jasiah)
FS 映画『フィフス・エレメント』より『Diva Dance』
主な成績

2021年東北・北海道選手権 ジュニア 5位
第38回東日本ジュニア選手権 24位

宮城県内を中心に練習を積み重ねている、高校2年生の選手です。中学卒業後はN高校に進学しました。
2019年全日本ジュニア選手権に出場、ジュニアデビューシーズンから東日本に4年連続で出場という大きな実績のある選手です。

5種類の3回転ジャンプを飛べ、それぞれ大会で組み込んで挑戦できる力があります。軸が細くて回転速度が速く、特にエッジ系のジャンプでは飛び上がってから回転する『ディレイドジャンプ』で飛んでいます。
クールな雰囲気を醸し出し、多彩な表情と音を正確に捉えた動きが年々増してきています。

今季新しくしたSPは、前半はイマ・スマックの名曲『Gopher』を、後半に配置されたステップシークエンス(StSq)以降はGopherのアレンジ曲である『Drumdown Mambo』を使用しています。マンボのアップテンポにしっかりとハメた動きが、何度見ても楽しい!一度見たらクセになります。曲が切り替わってビートがかかり、もっとテンポが速い曲になると、更に盛り上がっていくプログラムでしたね。

FSは3シーズン継続して使用しています。映画『フィフス・エレメント』より『Diva Dance』をまるまる1曲使用しています。水色の体の宇宙人が、劇場でアリアを歌う場面で披露される曲です。今季はブロック大会と東日本でそれぞれ衣装が違っていました。
前半は不思議な感じを、後半ビートがかかってくると強くバシッと決めていく姿が目を惹きます。難しそうな曲を、クールに、スケール大きく、しなやかさも併せ持っている、そんな表現が印象的でした。

クールな雰囲気が非常に個性的に見え、1度見たら忘れられない選手です。来季はどんなプログラムを披露するのか、今からとても楽しみにしてます。

参考
出典:日本スケート連盟
第77回国少民体育大会冬季大会スケート競技会宮城県予選会 少年女子FSリザルト


次のページにも紹介が続きます。ぜひご覧ください💨