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東日本フィギュアスケート特別講座2022

【2022年版】東日本フィギュアスケート概論 第5講 秋田・岩手編

こんにちは!大学院修了フィギュアスケートファンのLenaです!

東日本フィギュアスケート概論シリーズ第5講、秋田・岩手編を始めます!(過去同シリーズは→2019年2021年)
依然有観客での大会が限られる中、2021-22シーズンは五輪もあって、フィギュアスケートに注目が集まりました。一ローカルフィギュアスケートファンとして、普段拝見する機会が多い東日本の選手の魅力をもっと知ってほしいと、講義という名のもと、記事を書かせていただきます!

第1講2講3講と北海道の選手、第4講は青森の選手を取り上げました!第5講の今回は、さらに南下して秋田と岩手の選手を取り上げます!全中、インハイ、国体で秋田県・岩手県代表として出場したことのある選手を紹介します。

(これまでの講義の一覧はこちらから)

※所属クラブ等のデータは2022年3月時点で、一般に公開されているものを基準にしてます。4月から所属先等変更がある場合は併記します。

まずは通年リンクがない秋田に所属する選手から行きましょう!!


No.21 鎌田明子選手 (カマダ メイコ)

所属 秋田県連
プログラム
SP 舞台『リバーダンス』より『ファイヤーダンス』
FS 韃靼人の踊り
今季主な成績
2021年東北・北海道選手権 ジュニア 29位
第77回国民体育大会冬季大会 フィギュア競技予選会 少年女子 19位
第71回全国高等学校スケート選手権大会 45位

4月から秋田県内の高校に通う2年生の選手です。
宮城県を拠点に練習している『仙台泉F.S.C.』を率いる田中総司コーチに師事しています。2019年春か夏ごろにバッジテスト6級を獲得して以来、3年連続でブロック大会出場、全中・国体・インハイ秋田代表として活躍しています。

パワフルなスケーティングとともに、シーズンを重ねるごとに成長した姿を見せている選手です。教えを着実に、忠実に滑る姿も魅力の1つです。

SPは少なくとも3シーズン継続しているプログラムです。振付はバンクーバー・ソチ五輪代表の鈴木明子さんによるものです。
至る所に独特でかつ、曲の世界観にぴったりな振付が印象に残ります。細かい動きも大きく、はっきりとアピールし、見ごたえあるプログラムです。

FSは様々な事情等により、オンライン含め一般のファンの前での披露が叶いませんでした。フジテレビスケートが出す、ブロック大会の選手情報一覧によると、新しいプログラムになっていました。振付はSPと同じく、鈴木明子さんが手がけました。
来季以降、拝見できる機会に恵まれることを祈ってます。

SPのみとなりますが、2022年インターハイの公式アーカイブ映像をご覧ください↓

参考
出典:フジスケHP
東北・北海道ブロック 選手情報詳細
映像
出典:インハイTV YouTubeチャンネル
SP(2:43:53~2:48:33、指定された時間から再生します)

中々練習環境が難しいと察しています。どうか、限られた中で上手く調整し、また演技を拝見するのを楽しみにしています。

No.22 安保咲野選手 (アンボ サヤ)

所属 秋田県連→?
プログラム
SP ミュージカル『クレイジー・フォー・ユー』より
FS 映画『007/ゴールドフィンガー』より
今季主な成績
2021年東北・北海道選手権 ジュニア 20位
第77回国民体育大会冬季大会 フィギュア競技予選会 少年女子 22位
第71回全国高等学校スケート選手権大会 76位

3月に高校を卒業しました。先ほど紹介した鎌田選手が通う高校の先輩でもあります。
高校卒業の時点では岩手・青森県を中心に指導する佐々木正徳コーチに師事していました。岩手県大会のオープンクラスに出場したこともあります。
2018年秋ごろにバッジテスト6級を獲得して以来、全中、インハイ、国体の秋田県代表として活躍しています。今季ブロック大会に初めて出場し、FSに進出しました。

パワフルでダイナミックな滑りとともに、スピンのポジションが的確で、軸の安定感が持味の選手です。動きから見て、体幹が強そうに感じています。

SPは3シーズン継続して使用しているプログラムです。コミカルな曲調を、ちょっぴりお洒落に、エネルギッシュな滑りで魅せるのが印象的でした。

FSはいつから使用しているか不明ですが、今季ブロック大会で、ようやく一般のファンに(オンライン上)で初披露となりました。持ち前の力強さを活かし、迫力ある演技が見所となっています。

SPのみとなりますが、2022年インターハイの公式アーカイブ映像をご覧ください↓

参考
出典:フジスケHP
東北・北海道ブロック 選手情報詳細
出典:日本スケート連盟HP
令和2年度岩手県スケート競技選手権大会
映像
出典:インハイTV YouTubeチャンネル
SP(4:43:54~4:48:50、指定された時間から再生します)

執筆時(5月下旬)には、SNS上で部員紹介する大学のスケート部に名前はなく、進路が気になるところです。もしも競技を続けるのであるのなら、今度は現地で拝見できることを願っています。


次のページは岩手の選手の紹介です。ぜひご覧ください💨

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東日本フィギュアスケート特別講座2022

【2022年版】東日本フィギュアスケート特別講座 長谷川一輝 編

こんにちは!大学院修了フィギュアスケートファンのLenaです!東日本フィギュアスケート概論シリーズを書いていて、

5月13日に更新するということは…

あっ!と思った方は流石ですね!
本日は、北海道男子編で紹介した長谷川一輝選手(東京理科大学)21歳のお誕生日です!!!
おめでとうございます🎉

はい、今年で4回目となりますね。
長谷川選手について、とことん語る回にします!!
(過去同シリーズは→2019年2020年2021年)

…最後の忠告です。ご興味ある方のみこの先読み進めてください。

☑データ
☑トピックス
☑スケーターとしての魅力
☑SP・FSそれぞれのプログラムについて
この4点から今年も講義を進めます。それでは行きましょう!


データ

2021-22シーズンデータ(※敬称略,5/1時点で公表されているもの)
生年月日:2001年5月13日
学校:東京理科大学
所属クラブ:明治神宮外苑FSC・東京理科大学フィギュアスケート部
師事コーチ:横谷花絵
国体代表:北海道

プログラム
SP Blues For Klook
FS The Beatles Concerto

成績
2021年 東京夏季フィギュアスケート競技大会 選手権 1位
2021年東京選手権 選手権 2位
第47回東日本選手権大会 3位
第15回東日本学生フィギュアスケート選手権大会 7,8級クラス 2位
第90回全日本選手権大会 22位
第94回日本学生氷上選手権大会 フィギュア競技 7,8級クラス 26位
第77回国民体育大会冬季大会 スケート競技会 フィギュア競技 成年男子 7位
2022フィギュアスケートフリースケーティング大会 Aクラス 1位

今季のトピックス

シニア参戦2シーズン目となった今季は、SP・FS共に新しいプログラムにしました。FSに関しては昨季までの3シーズン使用してた。
プログラムの項目で詳しく説明しますが、両方ともバンクーバー五輪男子シングル銅メダリストで、現在はアイスダンスで活躍している髙橋大輔選手(関西大学KFSC)が使用した曲で話題ともなりました。余談ながら、ジュニア時代のインタビューでは憧れの選手はソチ五輪男子シングル銀メダリストパトリック・チャンさんを答えていました。

また進学に伴う北海道から拠点とコーチが変わってから2シーズン目ともなり、両プログラムともコーチが振り付けともなり、様々な余裕が出てきたのかなと感じてます。本格的に進歩を目指していこうとする姿が、演技の至る所に表れていたと感じていました。
まず、演技構成に、昨季よりトリプルアクセル(3A)に挑む回数が増えました。その結果、SPでは11月の都民大会で初成功させ、GOEで加点も初となりましたが…残念ながら映像はありません(FSでの3A成功は2019年東日本ジュニア選手権でGOEがわずかに減点でした。こちらも映像はありません)。
実はジャンプだけでなく、FSスピンもより基礎点の高くなる構成にしたのです。それは、フライング足替えコンビネーションスピン(FCCoSp)の導入です。SPでは取り入れられないスピンです。FCCoSpを演技構成に入れるのは2015-16シーズンFS以来のことでした。
他にも技と技との間の繋ぎでの振り付けや、見せ場をより意識したりと様々な工夫を感じました。元々の綺麗で良いところを更に突き詰めて伸ばしていく向上心を感じる場面が多かったです。

昨季は4位だった東京ブロックでは初優勝、東日本選手権は3位で2年連続全日本選手権出場権をつかみました。東日本に関しては、ジュニアだった2016年以来となる表彰台でした。

2度目の全日本の際、パンフレットに記載された趣味・特技欄が大きな話題を呼びました。
・シュレディンガー方程式の固有値を求める
・量子力学で電子の存在確率を考察する
すみません、専門外なので解説を回避します(笑)
ちなみに、筆者がまとめた長谷川選手の過去の趣味特技一覧はこちらです(趣味特技欄の記載があるパンフレットをかき集めてまとめました)。

特技にそろばんと書いていた時があり、その時から理系かなと感じていましたが…数年後は誰も予測できなかった進化を遂げていました。かつて同じ東北・北海道ブロックには、文武両道の理系の先輩選手がいて、理系でかつ面白い趣味特技欄を書いていましたが、その先輩選手をはるかに超えるスケールのものとなりました。

話を元に戻しましょう!
国体は3Aを回避し、SP・FS共にシニアに本格参戦して以降では自己ベストを大幅に更新しました!
相方である坪井聖弥選手(北洋大学)の活躍もあり、団体として7位入賞を果たしました。昨季は惜しくも逃した団体入賞のリベンジを果たしました。

今季ラストの大会となったのは、2月に札幌市で行われた『2022フィギュアスケートフリースケーティング大会』です。
例年2月末に行われる北海道スケート連盟主催の大会で、札幌時代はほとんど出場していました。今年は全国各地から出場が可能でした。
スケートを始めるきっかけの1つとなったお姉さんの競技生活からの引退とあり、最後に姉弟で出れるチャンスということで大会に出場しました。

成績の面では個人的に印象深かったのは、ほぼ毎回、今年3月に現役から引退した石塚玲雄さんとFSが連続し、順位も点数も拮抗してたことです。同じ東京ブロックの選手同士でありましたが、SP・FS両方ある全国大会においてもSPも同じグループの確率も高く、順位が並び、FSはリバースオーダー制なので毎回連続ということが起きていました。FSのみの大会含めて、FSの滑走順が連続しなかったのは、東インカレのみでした。

続いては、魅力について語ります↓

スケーターとしての魅力

よく筆者の概論では『書ききれないほど沢山魅力がある』と書きます。どの瞬間も綺麗でふわりと引き込まれるのですよ。表現面では
・曲の捉え方
・ノーブルな雰囲気
・スケール感の大きさ
技術面でいえば
・スピードと端正さを兼ね備えたスケーティング
・バリエーション豊富で軸のぶれないスピン
・高く飛び上がり、柔らかに着氷するジャンプ
・時々意表を突く技の実施


『時々意表を突く技』という点に関しては、今季SPは特にトリッキーな技のインパクトが強く感じます。
かつてはシットのポジションでツイズルしてたら突然ウィンドミルしてから入る足替えシットスピン(CSSp)なんてしてました!これ、羽生結弦選手(ANA)が2020-21シーズンSPで取り入れる前に実施してました。
このスピンに関しては、本人も得意と答えており、
ジャンプは3Aまでをプログラムの構成に入れられる力を持っています。とりわけトゥ系ジャンプが高く飛び上がり、関節の柔らかさを活かして着氷していくのが持ち味です。
力を効率よく使い、最後までスピードが落ちない端正なスケーティングから、気品に満ち溢れるところも魅力でもあります。
実際の身長より10㎝以上大きく見える、スケール感の大きさに圧倒されます。

様々な切り口から一旦引き込まれたら、他の良い要素と結びつき、綺麗で凄いなと印象に残していくと感じてます。
全ては
姿勢の美しさ
から繋がっているからだと考えます。

高い基礎力に裏打ちされた演技
これに魅了され、今ここに記事を書いているのであります。

次のページでは今季プログラムについて語ります。