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フィギュアスケート観戦

【心に残ったプログラム覚書】 2021-22 Vol.7 東日本 ジュニア編

一介のフィギュアスケートファンが、大会を観戦し、特に印象に残ったプログラムや選手について書くシリーズ。2021-22シーズンの第7弾からは10/28~31に東京都西東京市で行われた東日本。Vol.7の今回はジュニアカテゴリーに出場した選手のうち10人を取り上げ、詳しく感想を書いていきます。

(続き)


ジュニア男子

小田垣櫻(オダガキサクラ)選手 目黒日本大学高等学校

SP:Call Out My Name(歌:ザ・ウィークエンド)
SP振付:岩本英嗣

第5回でFSを取り上げ、今回はSPを取り上げます!

SPはゲンさんサマーカップで初披露されていますが、筆者は東京ブロックが初見となり、今回で2度目でした!

背中から漂う大人な雰囲気

小田垣選手は、スタートポジションに付いた時から、雰囲気が他の選手とは違う!哀愁、芳醇さ、熟成された上品さ色んなピースが積み重なって出来る雰囲気が『大人』だなと感じさせるのです!

コンテンポラリー・リズム・アンド・ブルースの、失恋を歌った曲を、スピードたっぷりに、強い音にはキレ良い動きで合わせていき、恋の切なさ漂う演技に惹かれましたね!

音楽への没入感、体現する力がもう天性のものでしか言い表すことが出来ないですね。ただ感じるがままに表現していく姿が、観客が好きになるといったカリスマ性ですね。

小洒落た所作、音に対する反応、スピード感ある滑り、それに見惚れていたらあっという間でした!

このSPで4位、総合5位で、3年連続全日本ジュニア選手権の出場権獲得おめでとうございます👏

藤城柊治(フジシロシュウジ)選手 ID学園高等学校

FS:交響詩『わが祖国』より『モルダウ』
FS振付:服部瑛貴

4月から高校2年生で、今季のブロック大会から高校所属で大会にエントリーしています!FSは今季新しくしたプログラムです!

手足を長く綺麗に見えるスケーティングからノーブルさが溢れ出し、スケールが大きく美しい旋律を奏でている姿が心に響いていくのです!

これは

藤城選手でしか出来ない演技

だなと感心しました!足運び、腕の使い方が洗練されて、気品に満ちた滑りという”筆”のタッチから、美しさ、壮大さ、力強さ、あらゆる風景を描き出していけるのが藤城選手の特徴だと感じてます!川が海へ海へと流れていく姿を描いているこの曲に、場面ごとに様々な風景が思い浮かんできて、見る者がそれに対する様々な感情が生まれ出すようなスケールの大きさにひたすら心動かされましたね。

ジャンプ構成を高難度にした事も去ることながら、スピンもこれまで1度も実施してなかったフライング足替えコンビネーションスピン(FCCoSp)を導入して基礎点を上げてきていました!

そう言えば、藤城選手はジュニアに上がって以降、ボーカルの有る曲を使用したことが無いですね(それ以前は演技をほとんど拝見してないため不明)。

高難度エレメンツに挑戦しつつ、ノーブルさが更に更に増していく演技だと、実感しました!

惜しくも全日本ジュニア選手権への出場権は逃しましたが、このスケールの大きなプログラムをまた次に拝見するのが楽しみになりました!どうかステイヘルシーに、納得のいく演技が出来ますように!

山田琉伸(ヤマダリュウシン)選手 埼玉栄高校

FS:映画『ヒックとドラゴン2』より
FS振付:記載なし

2021年版東日本概論 第13回で書いた通り、沖縄県出身で高校進学と同時に埼玉に拠点を移した経歴があります!

今回のFSは

心技体が噛み合った渾身の演技

でした!

最後の最後まで気合が入って、力強い曲に合せた滑りに胸が熱くなりました!

埼玉に拠点を移してからの山田選手は、成長が著しいです!今回に関して言えば、回転不足とアテンションを取られましたがトリプルフリップ+トリプルトゥーループ(3F+3T)を降り立ったり、気持ちの強さを前面に押し出した演技が光っていました!転倒は無い演技でしたね!

全日本という大きな舞台が懸かった中で、気迫に満ち溢れてました!

現地で大きな拍手を送りたかったですね!

SP13位から順位を上げ、総合8位で初の全日本ジュニア選手権への出場権を獲得しました!おめでとうございます👏
同門の大島光翔選手(明治大学)がFSの演技終了後に、キスアンドクライで宣伝していた(!?)選手です!初めて出場する大舞台で、埼玉での成長を存分に発揮できることを願ってます!

北村凌大(キタムラリョウタ)選手 MFアカデミー

FS:映画『信長協奏曲』より
FS振付:岩本英嗣

元々は札幌の選手(参考までにを2019年版東日本概論 第3回ご覧ください)でしたが、高校進学と同時に兵庫に拠点を移しました。4月から高校3年生となり、今度は南船橋に拠点を移しました❗

南船橋に移ってから、元々持っていた良いところがパズルのピースのように噛み合っていき、大きく花開く演技が随所に光ってました✨

今季になってから、トリプルジャンプ+ダブルジャンプのコンビネーションが決まり出したという技術面だけでなく、表現の面で目を惹くものが数多く、大きな成長に筆者が喜びで満ち溢れてしまいます!!(誠に勝手ではありますが)

冒頭の柔らかなピアノの音色に合せた動きが、ふわりと舞う桜のようで惹き込まれました!2本ジャンプを降りたあとにシリアスな曲調になってから一変し、戦いに行く強さを感じ取りました。後半曲調がまた変わったら、今度派雄大でしなやかな滑っていきましたね。メリハリ付けている事により、情感豊かで、余韻が心地よい演技が素敵でした!!

どうして北出身の滑りは雄大で美しいのでしょうか?

と思いましたね。1つは姿勢の美しさが際立っている事ですね。あと関節を上手に活かした滑り等が組み合わさって、スケールが大きく、綺麗な演技となるのかなと思ってます!

SP11位から順位を上げ、総合9位で初の全日本ジュニア選手権出場権を獲得しました!おめでとうございます👏
初めての大舞台で、沢山の成長が発揮できることを願ってます!

木村智貴(キムラトモキ)選手 西武東伏見FSC

SP:マリア(スパングリッシュ・ラジオ・エディット)(歌:リッキー・マーティン)
FS:ミュージカル『ビリー・エリオット リトル・ダンサー』より『Electricity』
SP振付:服部瑛貴
FS振付:服部瑛貴/小㞍健太

4月から中学2年生で、ジュニア2年目の今季はコーチを変えて挑んでます!

SPは今季新しくしたプログラムで、ファンの前では東京ブロックが初披露となってます!

サンバ調の曲に合せ、指先まで意識しつつしなりを効果的に活用した腕の動きで踊っていく姿が印象的でした!

ジャッジに向かってどんどんアピールしていく

そんな演技が、見てて楽しかったですね!

SPは8位となりました。

FSは昨季から継続のプログラムです。モダンダンサーとして世界的に活躍している小㞍健太さんが振付に加わった、かなり挑戦的なプログラムという印象をいつも感じてます!

主人公がバレエ学校の入試を受けている時のシーンで歌われる曲です!

このプログラムの見所の一つはステップシークエンス(StSq)の最中での側転です!初めて見た時は驚き満点でした!実はミュージカルでも側転するシーンがあるみたいですね。それを演技でも取り入れたといったところでしょうか。

全体としては、

踊ることの喜びと見え隠れする葛藤

を感じますね!

バレエの動きを意識し、一つ一つの振付を今一度丹念に見つめ直した結果が表れた演技が印象的でした!

そう言えば、SPもバレエのレッスンを積み重ねた賜物かと感じる動きが多かったですね。このプロがきっかけで受け始めたのかどうか分かりませんが、木村選手の引き出しを増やしていき、この先が楽しみになりますね!

大きなミスの無い演技でFSは5位、最終結果は6位となりました!ノービス推薦から含めて、3年連続で全日本ジュニア選手権出場権獲得おめでとうございます👏
ポイントを抑えてかつ個性的な踊りが、この先も輝きますように!



ジュニア編は以上です!
東日本の見逃し配信はFODプレミアムにて11/13~15まで視聴可能です!期間内はぜひご覧下さい。と言って、公開時点(11/5)ではあと8~10日ですね。上位の選手はこのあともフルで残るのですが…そうでない選手はダイジェストのみ残ることになります。この記事の中で気になったものがありましたら、今すぐ見に行くことを強く勧めます。

次回は東日本シニア編です!と書いているうちに西日本が始まっていますね。フルで残るアーカイブの期限が迫っているので、タイミングを見極めつつ、なるべく早く公開したいところです!

ぜひご覧ください!

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