(続き)
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シニア男子
坪井聖弥(ツボイセイヤ)選手 北洋大学
SP振付:鈴木理絵
第4回でFSを取り上げましたね。今回はSPを取り上げます!
SPは昨季から継続のプログラムとなります。音源はイルマ作曲の『River Flows in You』に歌詞を付けたバージョンとなっております。
今回はSP1番滑走で演技しました!
クールな曲に合せ、トリプルループ+ダブルトゥーループ(3Lo+2T)、トリプルトゥーループ(3T)、ダブルアクセル(2A)とジャンプ全て決めました!
3Tを決めた時、筆者は画面越しで思わず拍手しました!
ダイナミックにリンクを駆け巡る姿が最高!
もう、そんな演技でしたね!
フットワークが軽快でかつ、力強いスケーティングから、情熱的な滑りに目を奪われました!それとちょっとした仕草から漂う雰囲気から、赤いバラのようにロマンチックな気分にさせるのが坪井選手の持味だと感じてます!
曲と、エレメンツと、気持ちと、表現、全部が噛み合い、逞しさの中に品のある演技が素敵でした🔥
SP5位で、FSは最終グループで滑ることとなりました!FSは新衣装で挑んでました!結果は惜しくも全日本に届きませんでした。持前の繊細さと力強さの両方を兼ね備えた演技で沢山のファンを魅了したと思ってます!坪井選手の健闘を誇りに思っています!
またどこかで、願わくば現地で演技を拝見するのを楽しみにしてます!
田村亮太(タムラリョウタ)選手 宮城鶴ヶ谷FSC
FS振付:西田正人(2019年東日本パンフレットより)
2018年に関東ブロックでシニアからエントリーしました。2019-20シーズンから宮城県所属選手となりました。
SP・FS共に同じプログラムをずっと続け、その度に
地道にコツコツと成長し続けている姿
が印象に残っていました!
飛び上がってから回転が回りだす『ディレイドジャンプ』でジャンプを飛び続け、トリプルアクセル(3A)やクワドサルコウ(4S)を含めた高難度ジャンプ構成に果敢に挑戦し続けています!回転速度が非常に速いのですよ!
今回はFSを重点的に取り上げます!
今大会は3A2本飛ぶ構成にしてきました!ジャンプを降り立ち、情感をしっかり込めた演技が印象的でした!
以前、コールされる前にコンパルソリーをやっている場面がありました!基礎的なことを地道に、地道に積み重ね、素人ではありますが年々滑りがどんどん厚みを増していってるように感じてます!
曲の表現もどんどんパワーアップしていき、情熱を感じる演技になってきています!
ご本人のツイートによると、3Aが2本アンダーローテーションで認められたのは初めてとの事でした!地道にコツコツと、高難度ジャンプに挑んだ結果が実を結んでいるのが、勝手ではありますが嬉しいところです!
色々と大変なことがあるかと察しています。
どうかステイヘルシーに、またどこかで演技を、願わくは現地で拝見できることを願ってます!
堀義正(ホリヨシマサ)選手 明治大学
FS:アニメ・映画『美女と野獣』より
SP振付:横谷花絵
FS振付:川越正大
4月から大学2年生となりました。昨年の東日本前に1995年全日本選手権女子シングル優勝の経歴がある横谷花絵先生に変わりました(同門には1ページ目で取り上げた佐藤伊吹選手、のちほど取り上げる長谷川一輝選手等がいます)。
コーチが変わり、今季は昨季より多く演技を拝見して
力みのない流れるジャンプ
に変わったなと感じています!前はでっかい、高いジャンプ!!が持味でしたね。このことは、明治大学スポーツ新聞でも本人がおっしゃっていました。技術的なところも然り、表現面でも新たな堀選手のスタイルを感じています!
SPは今季新しくしたプログラムです。東京ブロックでファンの前(オンライン上)で初披露しました。筆者は今回で2回目の拝見となりました。
これまで挑戦してきたことのないジャンルで、新しいスタイルで魅せる堀選手
これが強く印象付けられましたね!
スケーティングの中で、
☑繋ぎでの細かな技
☑フラメンコ特有の動き
☑ステップシークエンス(StSq)でギアを上げ、キレ良く踊る姿
そして一連の流れの中でGOEで加点が付く綺麗な綺麗なジャンプを降り、流れがあって芯は強い演技が印象的だったのです!
終わったあと、東京ブロックに続いて、リンクサイドで横谷先生が喜んで出迎えてました!
SPは7位となりました。
FSは昨季からの継続のプログラムになります。
実写映画のサウンドトラックから、前半は『狼の襲撃』、後半は『ひそかな夢』を使用しています!
前半部分は使うことが少ないかつ、かなりシリアスな曲調のものを選んでいるのが特徴的です!
2本目のジャンプは、東京ブロックでは入れて無かったトリプルルッツ(3Lz)を飛びました!
最後まで気迫があって、力強く、そしてドラマチックな演技に胸が熱くなりました🔥
前半と後半で曲調がガラリと変わるのもあって、野獣のストーリーが浮かんでくる滑りが印象的でした!!
総合7位で、全日本選手権は惜しくも叶わなかった…キスクラでの会話が印象に残っていることと、昨年は怪我等があって苦しかった時を乗り越えたから尚更…とまた勝負の世界の厳しさに歯がゆさを感じていました。とその時、ユニバシアードに出場する山隈太一朗選手(明治大学)が隔離期間の関係で現時点では出場不可能と見越した上で、繰り上がりで初めての全日本出場権獲得を獲得しました!!おめでとうございます👏
クリスマスの日がお誕生日の堀選手にとって、全日本が最高のプレゼントとなることを願ってます!
石塚玲雄(イシヅカレオ)選手 早稲田大学
FS:ミュージカル・映画『雨に唄えば』より
SP振付:石塚玲雄
FS振付:服部瑛貴
第6回でFSのみを取り上げました。今回はSP・FS共に取り上げます!
SPは8月のゲンさんサマーカップでファンの前で初披露となりました。筆者は東京ブロックが初見となり、今回で2回目でした!
振付師名で書いた通り、このSPは石塚選手自身で振り付けたセルフコレオとなります!
音源はバンクーバー五輪銅メダリストで現在アイスダンスで活躍中の髙橋大輔選手(関西大学KFSC)が、2013-14シーズンのFSで使用していた曲の2~4曲目を使用してます。
冒頭のジャンプをトリプルフリップ+トリプルトゥーループ(3F+3T)にして降り、続いてジャッジの前を横切るようにダブルアクセル(2A)を綺麗に決めました!足替えシットスピン(CSSp)で得点を積み重ね、トリプルルッツ(3Lz)がqマーク(4分の1の回転不足)と判定されたものの降り立ち、フライングキャメルスピン(FCSp)で得点を稼いで、さあ、
大空へ自由に羽ばたいていくステップシークエンス(StSq)
見ている側もノリ、最高の気分でした!!
StSqの部分は『ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード』を使用しています。そのメロディーも相まって、全てが決まった喜びと、クライマックスへ向かっていく気持ち、石塚選手の晴れやかな顔を見て胸が熱くなりました!
最後の足替えコンビネーションスピン(CCoSp)もバッチリ決めて、フィニッシュしました!
もう、最高です!!
その一言に尽きません!石塚選手本人ガッツポーズの出来でした!SPは2位スタートとなりました!
FSは、スピードたっぷりに滑りながら、
要所要所で、コミカルでお洒落な振付
が光る演技でした!
例えば、ポケットに手を入れながら滑ったり、クラップ音に合わせて体を叩いたり、招くような振付等、粋な振付盛り沢山でしたね!
見れば見るほど、新たな発見が出来そうなプログラムですね!
SPは見てて最高、FSは見てて楽しい!そんなプログラムですね!
総合4位で4年連続全日本選手権への出場権を獲得しました!おめでとうございます👏最後の全日本で、どうか石塚選手がこれまで積み上げてきたものが出し切れるように願ってます!
長谷川一輝(ハセガワカズキ)選手 東京理科大学
FS:The Beatles Concerto(作曲:ジョン・ラター)
SP・FS振付:横谷花絵
第6回でSP・FS共に取り上げましたね。今回もSP・FS両方取り上げます!
SPは、
見れば見るほど沼にハマっていく
中毒性の高いブルースにどんどん仕上がっていって…カッコよすぎです!!
技と技との繋ぎに見る者を釘付けにさせる振付が盛り沢山で、じわじわと虜にしていくように感じるからですね!後半になればなるほど、どんどん観客のテンションが上がって、お洒落でクールな世界観に魅了されるそんなプログラムですね!
2本目のジャンプは東京ブロックで回避したトリプル(3A)に挑みました!
PCSが31点台と、東京ブロックから大幅に点数が上がってましたね!
はい、今回もカッコよかったです!!!!
SPは3位スタートとなりました!
2日後のFSでは、ガラリと雰囲気を変え
良い香りがふわっと感じられるような滑り
にうっとりとしました!
綺麗で流れるスケーティングの中で、曲調に応じて様々な思いを感じられる演技が絶品なのです!
この動きは何を表しているのか、沢山想像でき、豊かな演技が…はい、これまでの文脈から筆者が書きたいことを読み取ってください!
3A以外の技術的な部分を書くと、スピンのレベルの取り方が変わっていましたね!
足替えコンビネーションスピン(CCoSp)は
シットフォワード(SF)の難しいバリエーション→シットサイド(SS)の難しいバリエーション
から入るものに変えました!
フライング足替えコンビネーションスピン(FCCoSp)の右足に替えてからは
SSの難しいバリエーション→SFの難しいバリエーション
に変えました!東京ブロックではSSの難しいバリエーションを解いて、ベーシックのシットのポジションにしてからチェンジエッジをしていたものが、東日本ではSFの難しいバリエーションのポジションのままチェンジエッジを行っています!
東日本の2週間前に行われた東インカレの時からどうかは不明ですが、短期間でスピンの構成を変えたのは驚きでした!
後で見返すと、実はSPのスピンの手の振り、CCoSpのSFの難しいバリエーションのフリーレッグの持ち方が変わってた事に気づきました!
総合3位で全日本選手権出場権の獲得おめでとうございます👏東日本で表彰台に乗るのは、ジュニアだった2016年以来、会場はちょうど同じ東伏見でしたね!
今季、これまでの4戦全て3位以内に入っています!
2度目となる全日本の舞台で、長谷川選手が目標としている順位を掴み取れることを願ってます!
山隈太一朗(ヤマクマタイチロウ)選手 明治大学
FS:映画『ゴットファーザー』より
SP振付:岩本英嗣
FS振付:宮本賢二
4月から大学3年生となりましたね!
今季はSP・FS両方新しいプログラムにしました!
8月のゲンさんサマーカップで初披露となりましたが、筆者は東京ブロックで初見となりました。今回で2回目です。
SPは世界的に有名なチェロリストによる曲です!
冒頭チェロを弾く振付からスタートし、ゆったりと、雄大な森の中にいるかのように聴こえるメロディーが流れていきます!しなやかな腕の動きに見入りながら、ジャンプ・スピンを決めていきました!この流れが続くと思ったら、
ステップシークエンス(StSq)での激しい動き
に驚かされます!速いテンポでけたたましく鳴り響くチェロに合わせ、小さな音もハイキックや細かい足技等でしっかり絡め取り、激しく踊りきる姿に圧倒されました!
SPは4位スタートとなりました!
FSは、スタートポジションに立った時から、重厚さと哀愁漂う雰囲気が画面越しに伝わりましたね!
冷たい会場に鳴響くクラップ音、両手で何かを叩く等のマイムから、情感たっぷりな演技が印象的でした!
暗い雰囲気の曲を、ねっとりと、ドラマチックに演じる姿に心奪われますね!
最後のエレメンツにStSqを持っていき、ここで一気にダイナミックにキレの良い動きを披露して、フィニッシュしました!
SP・FS共に、速いテンポでの踊りのキレだけでなく、しなやかな動きからオーラが溢れ出すところにも惹かれるなと感じました!
FS2位、総合2位で全日本選手権を獲得しました。ただ、全日本選手権の前に日本代表として派遣されるユニバシアードがスイスで行われます。公開日(11/12)現在、帰国後の隔離期間の関係で全日本選手権への出場が出来なくなります。もし隔離期間が短縮され、出場が可能となった時に、追加でエントリーするという措置が取られる事になりました。どうか山隈選手が全日本に出場出来るようになるように、ひたすら願っています。
島田高志郎(シマダコウシロウ)選手 木下グループ
FS:チャップリン・メドレー
SP・FS振付:ステファン・ランビエール
東京ブロックは免除され、今回の東日本が今季初戦となりました!ジュニアで出場した2018年以来となる、東日本出場となります!
SPは大会の場では初披露となりました!
気だるい雰囲気が漂う曲に合わせ、独特なマイムが散りばめられたプログラムを滑る姿に圧倒されましたね!
大人のダークな世界が画面越しに伝わってきて、部屋中に溢れ返りそうなオーラを感じました!
もう、1つ1つの所作がお洒落なんですよ!
お洒落なカフェでブラックコーヒー飲んでいるような、いやアルコールなのか、恋物語なのか、なんか色々なシチュエーションが浮かんできました!
島田選手の表現力は底知れない
このことを改めてこのSPで感じました!
FSは2015-16シーズンに使った『チャップリン・メドレー』を『大人になったチャップリン』をテーマに曲や振付等を変えて作ったものです!今回が初披露でした!
チャップリン・メドレーと聞くとよく、『コミカルに、ニコニコ踊る』イメージがありますね。島田選手の今回のプログラムは、
懐かしい思い出を楽しく振り返る
ように感じました!まるで古い映画のような雰囲気を醸し出しながらスタートしました!要所要所でチャップリン特有のコミカルな動きを取り入れつつ、人生辛いこと、悲しいこと色々あったよね…でも、振り返れば楽しい思い出だよね…と奥深い意味が込められた演技が新鮮で、楽しかったなと思えました!
SP・FS共に1位で全日本選手権の出場権獲得おめでとうございます👏
この記事はワルシャワカップ直前での公開となりましたね😂まずはCSの舞台で、そして全日本で島田選手が思い描く演技が出来るように願ってます!
シニア編及び東日本編は以上です!
東日本の見逃し配信はFODプレミアムにて11/13~15まで視聴可能です!期間内はぜひご覧下さい。と言って、公開時点(11/12)ではあと1~2日ですね。上位の選手はこのあともフルで残るのですが…そうでない選手はダイジェストのみ残ることになります。この記事の中で気になったものがありましたら、今すぐ見に行くことを強く勧めます。
ジュニアも、シニアも『全日本』が懸かる大会の重みはより大きく、見終わったあとずっしりと重くなりましたね。
この厳しい状況下で開催し、配信を届けてくれたFODに感謝しております!来年こそは東・西日本も有観客になる事を願ってます!
次回は全日本ジュニア編の予定です!チケット確保出来ましたので、現地で観戦する予定です!どのように書くかは未定ですが、大会が終了して1週間以内に出したいですね!
ぜひご覧ください!