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東日本フィギュアスケート概論2022

【2022年版】東日本フィギュアスケート概論 第10講 茨城編

東日本に所属するフィギュアスケート選手の魅力を紹介する『東日本フィギュアスケート概論』の2022年版。第9講から関東ブロック編に突入。第10講では茨城編をお届けします。花田実優選手、塙雪月花(キララ)選手、猪股早哉子(サヤコ)選手、坂東凜選手、坂上智哉選手、岡部季枝(キエ)選手、松下紗千(サチ)選手を紹介します。

No.53 坂東凜選手 (バンドウ リン)

所属 東洋大学
プログラム
SP 映画『フットルース』より『フットルース』(主題歌)
FS 映画『ファンタスティック・ビースト』シリーズより
今季主な成績
2021年東京選手権 ジュニア 17位
第15回東日本学生フィギュアスケート選手権大会 7,8級クラス 15位
第94回日本学生氷上選手権大会 フィギュア競技 7,8級クラス 28位
第77回国民体育大会冬季大会 スケート競技会 フィギュア競技 成年男子 21位

今季がジュニアラストシーズンで、4月から大学2年生になりました。今季始まる頃に7級を取得し、来季からシニアに参戦します。2020年に閉鎖したシチズンプラザから東大和スケートセンターに移り、そこが現在設備不良に伴う長期休館中のため、現在は首都圏のリンクを中心に練習しています。

細かい振付を器用にこなし、エンターテイナーな滑りを披露する選手です。

SPは昨季から継続のプログラムです。フットルースの軽快なメロディーに合わせ、ノリノリに踊る姿が強く印象に残ります。次どんな振付するのか、いつ見ても全く予測不可能で、新鮮味を感じながら観ていました。

今季新しくしたFSでは、1ページ目で紹介した花田選手と同じく、ショーン・ラビットさんの振付となります。おそらく、コーチ以外の振付は坂東選手にとって初めてのことだったと思います。
遊び心溢れる振付に加え、イーグル等を用いてしっかりとタメを作っているのが目を惹きます。シニアプログラムでは最後から2番目にコレオシークエンスを配置し、クライマックスまでの世界観の作り込み方に注目していたいプログラムです。ハリー・ポッターシリーズの魔法の世界観が伝わってくる演技に見ごたえありました。

それでは、2022年国体公式アーカイブ映像をご覧ください↓

出典:国体チャンネル
SP 1月25日スケート(フィギュア) (15秒のCMのあと)1:23:59~1:28:49
FS 1月26日スケート(フィギュア) (15秒のCMのあと)6:36:54~6:44:00
※シニア課題での実施

来季は本格的にシニアに参戦ということで、どんな演技を披露するのか楽しみにしてます。ホームリンクが予定通りに再開し、ステイヘルシーに調整ができることを願ってます。

No.54 坂上智哉選手 (サカガミ トモヤ)

所属 日本大学
プログラム
SP 映画『シェルブールの雨傘』より
FS ドラマ『テセウスの船』より『メインテーマ』
今季主な成績第15回東日本学生フィギュアスケート選手権大会 5,6級クラス 5位
第94回日本学生氷上選手権大会 フィギュア競技 5,6級クラス 3位
第77回国民体育大会冬季大会 スケート競技会 フィギュア競技 成年男子 26位

KOSE新横浜スケートセンターを中心に練習を積み重ねていて、国体を茨城代表で出場しています。順当に進めば、4月から4年生となります。1月のインカレ時点ではバッジテスト6級で、8月末までに7級を獲得すればブロック大会に出場が可能となります。
年齢とバッジテストの級の関係に加え、コロナ禍によって大会に出場できない状況が続いてました。今季はオンライン上ではありますが、2020年国体以来に一般のファンの前で演技を披露しました。

アンニュイで独特な雰囲気を醸しながら、エモーショナルでスケールの大きな滑りで魅了する選手です。

SPはジュニア最後のシーズンであった2018-19シーズンから使用しているプログラムです。切ないメロディーに合わせ、しなやかに、情感豊かに演じていく姿が胸に迫りましたね。

FSは2020-21シーズン以降に変えたプログラムです。強い曲調に思いをぶつけ、ドラマチックに世界観を演じていく姿に感動することでしょう。難しいテーマの曲を、音に体をゆだねて滑る姿に、現地で拝見出来たらなと思いましたね。そう言えば、筆者は2019年国体を最後に、坂上選手の演技を拝見できなかったですね。

SPは2022年国体公式アーカイブ映像を、FSはFODプレミアム会員のみとなりますが2022年インカレの公式アーカイブ映像をご覧ください↓

出典:国体チャンネル
SP 1月25日スケート(フィギュア) (15秒のCMのあと)1:23:59~1:28:49
出典:FODプレミアム
FS 第94回日本学生氷上選手権大会(インカレフィギュア2022) (※会員のみ視聴可能)2:28:16~2:32:11

おそらく学生として最後のシーズンとなる来季、どうか1つでも多く大会に出場できることを願っています。どうかステイヘルシーに、また演技を拝見する時を楽しみにしてます。

No.55 岡部季枝選手 (オカベ キエ)

所属 明治大学
プログラム
SP 素敵なあなた(歌 Janis Siegel)
FS エクソジェネシス(脱出創世記):交響曲第3部(あがない)(歌 ミューズ)
今季主な成績
2021年東京選手権 選手権 19位
第77回国民体育大会冬季大会 フィギュア競技予選会 成年女子 16位
第77回国民体育大会冬季大会 スケート競技会 フィギュア競技 成年女子 22位

明治神宮外苑スケート場を拠点に練習を積み重ねる、大学3年生の選手です。少年カテゴリー時代から国体を茨城代表で出場しています。
東日本やインターハイで決勝に進出した実績のある選手です。

最初から最後までニコニコ笑顔で滑りきれるのが大きな強みです。ここ数シーズンではその笑顔を場面によって使い分けながら、音を丁寧に拾い、背筋が綺麗に伸びた美しい滑りで魅了しています。
トリプルジャンプをフリップまで組み込み、決める力があります。

SPは2018-19シーズンから4シーズンにわたって使用してました。持ち前の笑顔が存分に発揮されていたので、曲名をもじって『素敵な季枝ちゃん』とツイートされていました。筆者もよく使っていましたね。
アップテンポの曲に合わせ、スムーズに動き、見所満載な踊りに心奪われていました。

FSは昨季に変え、今季ようやく一般のファンの前(オンライン上)で披露となりました。
前半はジャンプの前に腕を後ろに回した状態で滑ったり、1度かがむような動作を行う等、少し珍しい振付がありつつ、優しい世界観に包み込まれる演技でした。どんな時も微笑み続け、丁寧に思いを伝えていく滑りに感動します。

それでは、2022年国体公式アーカイブ映像をご覧ください↓

出典:国体チャンネル
SP 1月26日スケート(フィギュア) (15秒のCMのあと)2:11:5 9~2:16:45
FS 1月27日スケート(フィギュア) (15秒のCMのあと)2:33:35~2:40:12

明スポフィギュア担当のツイートによれば、岡部選手は法曹三者のどれかになるのことを目標にしています。来季もどうかステイヘルシーに、学業と両立し充実した演技を披露できることを願ってます。

No.56 松下紗千選手 (マツシタ サチ)

所属 日本大学
プログラム
SP back To Black(歌:エイミー・ワインハウス)
FS 映画『ラ・ラ・ランド』より→Whitout You(歌:Ursine Vulpine & Annaca)
今季主な成績
2021年東京選手権 選手権 18位
第15回東日本学生フィギュアスケート選手権大会 7,8級クラス 10位
第77回国民体育大会冬季大会 フィギュア競技予選会 成年女子 8位
第94回日本学生氷上選手権大会 フィギュア競技 7,8級クラス 22位
第77回国民体育大会冬季大会 スケート競技会 フィギュア競技 成年女子 20位

先ほど紹介した岡部選手と同じく、明治神宮外苑スケート場を拠点に練習を積み重ねています。順当に進めば、4月から大学4年生となります。少年カテゴリー時代から国体を茨城代表で出場しています。
東日本に出場した実績のある選手です。

所作の美しさと共に、幅広い役柄を演じる大女優のような滑りで魅了する選手です。

今季新しくしたSPは、映画『華麗なるギャッツビー』の劇中で歌われている曲の元となった音源を使っています。今までとは違い、ダークでキビキビと動く姿に衝撃を受けました。

FSは2019-20シーズンから3季使用し、5月のサイニチ杯にて新しいプログラムを披露しました。
映画『ラ・ラ・ランド』よりでは前半は笑顔に中盤は苦悩を、最後は盛り上がって弾けるという物語がはっきりと見える演技でした。筆者はよく『スイートビター』とツイートしていましたね。様々なことがあっても、やっぱり最高と思えるような、ストーリーの密度の濃い滑りでした。
新しくした方では、あまり聞きなれない曲を選びました。SPよりも暗く、あまりにも静かで難しそうな曲に感じました。画面越しに伝わるまなざしの鋭さ、クールな動きの数々に痺れるプログラムです。来季はもっと拝見できると思うと楽しみです。

それでは、2022年国体公式アーカイブ映像をご覧ください↓

出典:国体チャンネル
SP 1月26日スケート(フィギュア) (15秒のCMのあと)2:11:5 9~2:16:45
FS 1月27日スケート(フィギュア) (15秒のCMのあと)2:33:35~2:40:12

おそらく、学生としては最後となる来季、思うような調整を積み、演技を沢山披露できるように願っています。

茨城編及び今講義は以上です!
最後までお付き合いありがとうございました。
茨城は通年リンクが無い中、地元拠点でも、他が拠点であっても個性豊かな選手が集っているという印象を感じます。11月の全日本ジュニア選手権は、茨城県で行われることが決まっています。筆者は楽しみにしてます。

次講は栃木・群馬編です。筆者の都合により、今シリーズはシーズンが始まった7月いっぱいにも持ち越し、埼玉編まで書き終えて一区切りとします。その後続けるか否かは未定となることをご了承ください。
それまでご覧になって頂けたら幸いです!

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