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東日本フィギュアスケート概論2022

【2022年版】東日本フィギュアスケート概論 第7講 宮城編part2

東日本に所属するフィギュアスケート選手の魅力を紹介する『東日本フィギュアスケート概論』の2022年版。第6・7講と2回にわたって宮城編をお届けします。第7講は4月から高校2年生~大学生になる、藤﨑鈴選手、森本美羽選手、中川涼(リョウ)選手、赤間天翔(テンショウ)選手、三浦向日葵(ヒマリ)選手、千葉百音選手を紹介します。

No.34 赤間天翔選手 (アカマ テンショウ)

所属 仙台FSC
プログラム
SP 映画『オーシャンズ12』より
FS 映画『ドラゴンハート』より
今季主な成績
2021年東北・北海道選手権 ジュニア 6位
第38回東日本ジュニア選手権 14位
第77回国民体育大会冬季大会 フィギュア競技予選会 少年男子 16位

4月から高校3年生になります。
2017年全日本ノービス選手権で4位になった実績があります。
2019年全中を最後に2シーズンにわたって大会への出場が無く、宮城FSCから移籍した上で今季復帰を果たしました。復活のニュースに沢山のローカルファンが喜び、演技のスタイルの変化とともに大きな話題となりました。

復帰前は
小さな体を目いっぱい大きく使い、キラキラ笑顔で滑る
そんな姿に心奪われたファンが多かったのです。エレメンツ的な部分では足替えシットスピン(CSSp)の足を替えたあとに通常反時計回りの所が時計回りに回る、いわいる『逆回転』のスピンを取り入れていたが大きな特徴でした。
大会に出場しなかった間に大幅に背が伸び、昨年のブロック大会では6分間練習では分からなかったほどでした。
男子三日会わざれば、刮目して見よ
この慣用句の文字通りの意味を感じ取りました。
綺麗なスケーティング、姿勢の美しさ、明るい表情で踊る持味を残しつつ、クールに洗練された演技に
カッコイイ!!
となった訳なのです。

SPはノリノリに軽快に、爽やかさ全開に踊る姿に、現地で歓声上げたかったプログラムでした。髪をかきあげるような振付はい意味で反則です!!と言いたくなるほどのカッコよさでした。スタイリッシュな演技に大満足しました。

FSは凜とした佇まいで滑る姿に、圧倒されました。SPとは一転、壮大なスケールで物語を描く姿が強く印象に残りました。ああ、赤間選手大きくなったんだなと、しみじみに感じましたね。

1月のインターハイはエントリーしたものの棄権し、続く国体も補欠選手と交代していました。高校3年生で進路の年となりますが、もしも可能なら再び演技を、今度こそは現地で拝見できることを願ってます。どうかステイヘルシーに、納得する道を選べますように。

No.35 三浦向日葵選手 (ミウラ ヒマリ)

所属 宮城FSC
プログラム
SP アディオス・ノニーノ/リベルタンゴ
FS バレエ『ガイーヌ』より
今季主な成績
2021年東北・北海道選手権 選手権 3位
第47回東日本選手権大会 16位
第77回国民体育大会冬季大会 フィギュア競技予選会 成年女子 7位

東北高校卒業後、仙台市内にある東北生活文化大学に進学しました。短期大学部か4年制かは不明ですが、順当にいけば4月から2年生となります。クラブ所属で大会にエントリーし、引き続き宮城県内を中心に練習を積み重ねています。
2019年全日本ジュニア選手権に出場、インターハイで3年間FS進出等の大きな実績がある選手です。

三浦選手と言えばエレガントな所作スピンですね。1番の魅力は、SPでは足替えコンビネーション(CCoSp)、FSではフライング足替えコンビネーションスピン(FCCoSp)での足を替えた後で取り入れている、リザーブドパンケーキのフリーレッグを持ち上げて、キャメルキャッチフットのポジションに持っていきレベルを獲得する所です。
北ローカルファンではお馴染みの
マジカルスピン
前講で瀬川穂乃選手を紹介した際に出てきましたね。三浦選手のはキャメルキャッチフットのポジションになっても形が綺麗なまま回転速度が落ちず、キレがあり、周数が多いので強く印象に残るのですよ。

今季新しくしたSPはタンゴの曲を2つセレクトしました。冒頭の振付からおもわずゾクっとしてしまいます。滑っている最中も美しいポジションで、情熱的に舞っていき、観る者の心を釘付けにします。リベルタンゴの部分で、皆大好き三浦選手のマジカルスピンからのステップシークエンス(StSq)では、タンゴ独特のリズムをパリッと、キレのある踊りで魅了していきます。

昨季から継続のFSは前半は強く、後半はしなやかに舞う姿に魅せられていきます。盛り上がる所で、1つ1つの音にしっかり合わせた美スピンを見るとテンションが上がります。強い曲調と、柔らかい曲調との動きのメリハリが素敵で、目を奪われていました。

昨季のもので、ジュニア課題で滑ったバージョンとなりますが、FSは継続しているので、参考までに2021年インターハイの公式アーカイブ映像をご覧ください↓

参考
出典:日本スケート連盟
第77回国民体育大会冬季大会スケート競技会宮城県予選会 成年女子FSリザルト
演技映像
出典:インハイTV YouTubeチャンネル
FS(2:26:24~2:32:18、※解説有、指定された時間から再生します) ※ジュニア課題での実施

もう、三浦選手の演技はどこを切り取っても美しい絵になるのですよ。大学進学後も続けてくれて、美のエッセンスが沢山つまった演技を拝見できて幸せです。来季はどんなプログラムを披露するのか、非常に楽しみにしています。どうかステイヘルシーに、学業と共に充実した道となりますように。

No.36 千葉百音選手 (チバ モネ)

所属 東北高校
プログラム
SP ドラマ『エデンの東』より『フィナーレ』
FS ヴァイオリン協奏曲『バタフライ・ラヴァーズ(梁山伯と祝英台)』
主な成績

2021年東北・北海道選手権 ジュニア 1位
第38回東日本ジュニア選手権 3位
第90回全日本ジュニア選手権大会 3位
第90回全日本選手権大会 11位
第71回全国高等学校スケート選手権大会 2位
第77回国民体育大会冬季大会 スケート競技会 フィギュア競技 少年女子 2位
Challenge Cup 2022 Junior Women 1位
Egna Spring Trophy 2022 Senior Women 3位

宮城県内を中心に練習を積み重ねている高校2年生の選手です。ノービス時代から国際大会に出場し、3年連続でジュニアから推薦で12月の全日本選手権に出場等、東北のジュニア女子の超エース級の活躍をみせています。今季はジュニアを主戦場としていますが、実績が認められ、シニアの国際大会にデビューもしました。
テレビで羽生結弦選手(ANA)と遊ぶ小さな女の子が、そう、千葉選手だったのです。

昨年の春に仙台泉F.S.C.に移籍しました。初めて依頼した振付師に振付し、様々な表現が引き出されていきました。多彩な表情、場面に応じた腕、目線の使い方の工夫が沢山詰め込まれています。最初から最後まで世界観が途切れることの無いプログラムが、観る者の心に響いたのではないでしょうか。

SPはバンクーバー・ソチ五輪代表の鈴木明子さんに依頼しました。最初の不安そうな表情から、徐々に徐々にほぐれ、トリプルフリップを降りたあとからのStSqで、伸び伸びと晴れやかに滑っていく、そんなストーリーが見えるプログラムでした。

FSは宮本賢二先生が振付です。こちらはひらりひらりと蝶々が舞っていくのが見えましたね。一つ一つの動きが計算され、緻密なプログラムでしたね。ジャンプの前後に難しいトランジッションを組み込まれていて、シームレスな演技に見入ってしまいます。
今季はスピンがSPと同じでしたが、シーズン終盤ではフライングシットスピン(FSSp)からFCCoSpに変えていました。移籍後、表現が目覚ましい進化を遂げていることを印象付けました。

メダリスト・オン・アイスでは、今季SPを衣装を変えて滑っていました。FODプレミアムに加入している方はぜひご覧ください。また、ジュニアの尺では国体のを、シニアの尺ではエーニャ・スプリング・トロフィーの公式アーカイブ映像をご覧ください↓

参考
出典:仙台スポーツ
千葉百音選手 インタビュー(前編)大事なのは「表現力」。本来の自分らしい滑りを見せる
千葉百音 選手 インタビュー(後編)世界で戦うことが目標。観客を笑顔にするスケーターになりたい

演技映像
EX メダリスト・オン・アイス 14:40~18:53

Jr.尺
出典:国体チャンネル
SP 1月24日スケート(フィギュア) (15秒のCMのあと)3:08:51~3:14:05
FS 1月25日スケート(フィギュア) (15秒のCMのあと)10:33:15~10:39:28

Sr.尺
出典:Idealweb Tv YouTubeチャンネル
SP(20:18~25:46、※指定された時間から再生します)

FS(1:05:38~1:13:35、※指定された時間から再生します)

今更気付いた話ですが、衣装をよく見ると、SPの衣装はエーニャ・スプリング・トロフィーの頃には飾りが増えていましたね。
今季はこれまで以上に、沢山の千葉選手の良さが輝いていて、常に魅了され続けていました。来季もどうかステイヘルシーに、目標が沢山叶うシーズンとなるように祈ってます。



宮城編は以上です!
最後までお付き合いありがとうございました。
荒川静香さんや、羽生結弦選手と2人の五輪金メダリストを輩出したこの宮城で、沢山の選手が憧れ、日々研鑽を積み重ねています。高さ、回転のキレのあるジャンプ、美しいスピンが持味の選手が多いなという印象を感じています。とりわけスピンにおいては、FSで基礎点の高いFCCoSpを取り入れてかつ、レベルと加点をしっかり取っていく選手が多いですね。
次講は東北・北海道ブロック最終講、新潟編です。
この先も読んで頂けたら幸いです!

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