【2022年版】東日本フィギュアスケート概論 第11講 栃木編

No.54 芦塚明日佳選手 (ｱｼﾂｶ ｱｽｶ)

栃木県内でトップの進学校に通い、埼玉県内のリンク所属のコーチに師事している高校2年生の選手です。全中･インターハイ･国体で栃木代表で活躍しました。

伸びやかなスケーティングから、いつも笑顔で、観ていて楽しそうな演技を披露する選手です。

昨季新しくしたSPは、大人気映画『ハイスクール･ミュージカル』の続編にあたり、ディズニーチャンネルのドラマの中で歌われた曲を使用しています。その前のSPもハイスクール･ミュージカルシリーズの曲を使用していました。パンツスタイルがまず目を惹きます。ちょっぴり大人っぽく、クールさもありながら笑顔で踊る姿が印象に残るプログラムです。
今季も継続して使用する予定です。

FSは昨季披露したものは、おそらく2018-19シーズンの途中から披露しているプログラムではないかと推測しています。衣装は前のシーズンとは違うものでした。曲が違う印象を感じたこと、構成の配置が一部変わっていたので、曲の差し替え等があった可能性があります。曲調の変化が激しい中、音をよく捉え、エネルギッシュな演技が印象的です。

ディズニーミュージック公式YouTubeチャンネルで、SPの曲が劇中でのシーンが投稿されているので参考までにご覧ください。それと、SPのみとなりますが、地元日光で行われた2022年1月の国体の公式アーカイブ映像をご覧ください↓

SPの衣装は劇中での衣装の要素を取り入れているのかなと推察します。今季はどんなプログラムを披露するのか楽しみにしてます。

No.54 北條楓選手 (ﾎｳｼﾞｮｳ ｶｴﾃﾞ)

栃木県内の高校に通い、埼玉県内のリンク所属のコーチに師事している3年生の選手です。全中･インターハイ･国体栃木代表として活躍してきました。2022年国体では自己ベストを更新し、FS進出を果たしました。2019年東日本ジュニア選手権に出場した実績のある選手です。

長い手足を活かし、動きが大きく見え、すっきりとした演技が魅力の選手です。ダイナミックなエレメンツ、明るいタッチの滑りが印象に残る選手です。

昨季新しくしたSPでは、しっとりとした曲調に挑戦しました。一蹴りが伸びやかで、スケールの大きい演技が強く印象に残ります。今季も、継続して使用する予定です。また拝見できるのが嬉しく思っています。

FSも昨季新しくしたものです。ジャンプの前後に様々な技を取り入れ、密度の濃いプログラムとなってます。持味のダイナミックさに加え、クールさ、情熱に圧倒される演技でした。

地元日光で行われた2022年1月の国体の公式アーカイブ映像をご覧ください↓

今季は進路の年となります。どうか納得のいく調整と、希望する進路の両方が叶うことを願ってます。

No.55 小室笑凜選手 (ｺﾑﾛ ｴﾐﾘ)

西東京市にあるダイドードリンコアイスアリーナを中心に練習を積み重ねている、大学4年生の選手です。栃木県出身で、幼少期は栃木県内のクラブに所属していました。ノービス時代に東京に移り、以降は東京の選手として活躍し、国体は栃木代表として出場してます。今季が現役ラストシーズンとなります。
全日本ノービス選手権や、東日本選手権に出場した実績のある選手です。

深いエッジを使った、ストロングなスケーティングに加え、しっとりとした腕の動きに魅了される選手です。

昨季はシーズン当初は新しいプログラムを、昨年11月の都民大会よりあとに2018-20シーズンに使用していたプログラムに戻しました。エデンの東では、冒頭の振付から独創的で引き込まれるプログラムでした。幻想的でかつ、壮大なスケールで描く世界に心洗われました。
Oでは、優しく、芯は強く包み込んでくれるようなプログラムでした。小室選手のステップシークエンス(StSq)は大正義と言いたくなるほど、感動するのですよ。

FSは、昨季は2019-20シーズンからの継続していたものを使用してから、今年5月に行われたサイニチ杯で新しいプログラムを披露しました。
ムーラン･ルージュでは、最初のシリアスなメロディーでは力強く、後半のバラードでは心が浄化されるようなプログラムでした。
オペラ座の怪人はバンクーバーテンソチ五輪日本代表の鈴木明子さんに憧れて選びました。そう言えば、SPのOも鈴木さんが現役時代使用していた曲ですね。現役の最後にこの曲を選び、様々なドラマが浮んで、ハンカチ必須なプログラムでした。万感の思いがこもったプログラムを、今季一つずつ噛みしめながら拝見したいところです。

参考までに、2022年1月の国体の公式アーカイブ映像をご覧ください↓

滑りや動きのスムーズさに、見れば見るほど魅了されていきました。どうか、最後の最後まで納得のいく演技を披露できることを願ってます。

栃木編及び今講義は以上です！
最後までお付き合いありがとうございました。
栃木も通年リンクが無い環境下にあります。隣県の埼玉とも行き来しながら、練習するケースも多いです。踊心あり、力強く、フットワークに長けた選手が多く輩出している印象を感じています。

次講は北関東編最終講座、群馬編です。
またご覧になって頂けたら幸いです！