カテゴリー
東日本フィギュアスケート概論2021

【2021年版】 東日本フィギュアスケート概論 第20回 東京シニア女子編part2

東日本に所属するフィギュアスケート選手の魅力を紹介するシリーズ『【2021年版】東日本フィギュアスケート概論』。第16弾から6回にわたって東京編をお届けします。第20弾の今回はシニア女子編part2。東京都スケート連盟に所属する本田真凜選手、樋口瑞保選手、佐上黎選手、佐藤伊吹選手、松原星選手、樋口新葉選手を紹介します。

(続き)
No.99 佐藤伊吹選手 (サトウ イブキ)

所属 明治大学
SP Icn Queen(演奏 Dinletir)
FS 我が心のアランフェス(歌 ナナ・ムスクーリ)

4年連続で全日本選手権に出場し、5種類の3回転ジャンプに、3回転-3回転のコンビネーションジャンプを何年もコンスタントに組み込める力のある選手です!

キャメルキャッチフットのポジションが独特なのも見所ですし、何より
コツコツ積み上げたものが光る演技
が魅力だと感じてます!所作が綺麗で安定感のある演技をしながら、年々色んな進化を披露しています!

これまでは持ち前の優美さを活かし、フィギュアスケートで使用するには少々珍しい曲もありながらも、比較的エレガントな感じの選曲が多かったです。その傾向の中で、今季新しくしたSPはイメージを大胆に変えるものとなりました!ベリーダンスの曲を選び、エキゾチックさ、ユニークな振付を全面に押し出したプログラムです!アップテンポの曲に、キレ良く、激しく舞い踊る姿に、新たな一面を見ることが出来ました!

FSは昨季からの継続のプログラムです。ホアキン・ロドリーゴ作曲の『アランフェス協奏曲』の第2楽章に歌詞を付けた曲です。『恋のアランフェス』とも邦訳タイトルが付けられることもありますが、ここでは歌詞の意味等を考えて『我が心のアランフェス』とさせて頂きます。
少しかすれかかった歌声が特徴で、そこから切なく、哀愁を漂わせてます。そんな曲を様々な情景を伝えつつ、はんなりと上品に、その裏には秘めた情熱や強い思いを感じ、奥深い演技が印象的でした!

有料にはなりますが、SPは全日本選手権、FSは東京ブロックの映像がFODプレミアムに残っているのでそれをご覧ください↓

SP→全日本選手権(出典 FODプレミアム) 13:40~19:19
FS→東京ブロック(出典 FODプレミアム) 02:58:57~03:03:22

5月に行われた『サイニチ杯』に出場し、中継されていましたが、本人等の意向により演技は非公開となりました。ジャッジスコアや、今までのプログラムの持ち越しの傾向からすると、FSは来季新プログラムかと思われます!また演技を公開する時になったら、拝見できるのを楽しみにしてます!!

No.100 松原星選手 (マツバラ アカリ

所属 明治大学
SP 小雀に捧げる歌(作曲 Abel Korzeniowski)
FS 映画『ピアノ・レッスン』より

3年連続全日本選手権出場や、国体東京都代表歴、日本スケート連盟の強化選手に指定された経歴、2017年ジュニアグランプリシリーズ出場等、国際大会を含めて数多くの実績がある選手です!

松原選手は、ジャンプの着氷が非常に柔らかく、まるで猫のように深く屈んで降りているので、『猫足着氷』とファンの間で呼ばれています!また、ジャンプを降りた際多少体勢が悪くても、トリプルトゥーループを付けられる力があります!かつては、後半にトリプルルッツ+トリプルトゥーループ+ダブルトゥーループの3連続ジャンプを組み込んだり、今はSP・FSで後半のジャンプにトリプルサルコウ+トリプルトゥーループを組み込む驚異的な構成を決めています(ちなみに、FSは上記のジャンプを2本連続で跳ぶので更に驚きです)!
スピンにおいては軸がしっかりしてきて、回転速度が速く、ポジションが綺麗なのが見所です!
それと筆者が松原選手の一番の魅力だと感じるのは
音が鳴った瞬間から魔法のように引き込まれる
ところです!観てて不思議なことに、最初音が鳴ってすぐに、ふわっと軽く、世界観に入り込ませてくれる感覚がするのですよー。

今季新しくしたSP・FSにも、その世界観に引き込ませる力を感じるものです!ちなみに、SP・FS共に高校3年生で全日本選手権に初めて出場した時に感動したプログラムを選んだとのことです!

SPは宮原知子選手に感化されて選び、エレメンツの構成を少しいじって、最後にステップシークエンスに持ってきました!過去にステップシークエンスで始まったプログラムはありますが、最後に持って来たのは記憶が正しければ初めてだと思われます!これは1つの挑戦だったと思います!内なる情熱、切なさ、壮大な音楽、難しそうな小技、様々な要素が複雑に絡み合って、松原選手ならではのプログラムにしているのが印象的でした!

FSは坂本花織選手に感化されて選び、使用するサウンドトラックを一部変えて構成されたプログラムです。しなやかな動き、綺麗なスパイラルが目を惹き、ドラマチックな展開に仕上げていっているのが印象的でした!

有料になりますが、2位になった2020年東京ブロックの演技がSP・FS共にフルで残っているのでご覧ください↓
SPの元音源がアーティストの公式YouTubeチャンネルで投稿されているので、参考までにご覧ください↓

東京ブロック演技動画(出典 FODプレミアム)
SP→02:19:16~02:22:18
FS→03:03:22~03:07:43

SP元音源
出典:Patricia Kaas Official

5月に行われた『サイニチ杯』では、衣装を変えて、今季FSを滑ってました!練習等大変かと思いますが、どうかステイヘルシーに、また来季現地で拝見するの日を心待ちにしています!

No.101 樋口新葉選手 (ヒグチ ワカバ)

所属 明治大学/ノエビア
SP バード・セット・フリー(歌 シーア)
FS アルバム『ポエタ』より(演奏 ビテンセ・アミーゴ) / アルバム『Flamenco:Passion & Soul』より(演奏 ジーノ・ダウリ)

2018年世界選手権2位等、世界のトップレベルで活躍しています!東京、明治神宮外苑アイススケート場を本拠点として、練習を積み重ねています!

ローカル大会にも積極的に出場し、世界トップレベルの技や表現を披露していて、ファンとしてもとても嬉しいことです!!

今季は、SP・FS共に昨季から継続し、より磨きがかったプログラムに、トリプルアクセルへの挑戦にファンを沸かせました!
ジャンプを含め、スケーティングがマッハレベルの馬力に驚き、力強くキレ味の鋭い演技が持ち味ですが…筆者が今季の演技を観て感じたのが、『タメ』の絶妙さです!!機敏な動きの前にあるしなやかで柔らかな動きの質とタイミングが、巧妙だなと思ったです!それにより、世界や思いが立体的に浮かび上がって、より強く訴えかけられていると感じました!

自由に羽ばたく鳥が見えるSPと、フラメンコを情熱的に舞うFS最高でした✨

有料になりますが、FODプレミアムで2020年東日本選手権のSP・FSとインタビューをご覧ください↓ついでにSPの曲がアーティスト公式YouTubeチャンネルに投稿されているので、参考までにご覧ください↓

東日本選手権演技動画(出典 FODプレミアム)
SP→01:41:24~01:44:48
FS→02:22:09~02:28:36

SP元音源
出典:Sia 公式YouTubeチャンネル

来季SPは『プリマヴェーラ』、FSはミュージカル・映画『ライオン・キング』よりを選びました!美しくもエネルギッシュで、早くも感動しそうな演技内容です!6/26・27に千葉県で行われる『アクアカップ』にエントリーしています。この4年で積み上げたものを発揮して、夢が叶うよう願ってます!



今回はここまでです!
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました☺

この講義(記事)を執筆していた6/13、明治大学に進学後ダイドードリンコアイスアリーナを拠点に競技を続け、今年3月に卒業した大矢里佳選手がふるさと愛知県に戻って現役を続行することが発表されました!都合上簡単に紹介となりましたが、目標が叶うようエールを送ります!

ついに20回突破&紹介人数が100人突破しました😯
正直、このシリーズを始めた時、まさかここまで紹介するとは思わなかったです!!紹介したいという思いが積もりに積もって、このような形に表れたのかなと思ってます。前回シリーズより遥かに上回ってます!

次回は長かった東京編の最終回、東京シニア男子編をお届けします!

また次に限らず、この先も読んで頂けたら嬉しいです!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です