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東日本フィギュアスケート特別講座2022

【2022年版】東日本フィギュアスケート概論 第5講 秋田・岩手編

東日本に所属するフィギュアスケート選手の魅力を紹介する『東日本フィギュアスケート概論』の2022年版。第5講は秋田・岩手編。秋田からは鎌田明子(カマダメイコ)選手、安保咲野(アンボサヤ)選手、岩手からは長澤朋花選手、加藤海里選手を紹介します。

No.23 長澤朋花選手 (ナガサワ トモカ)

所属 盛岡FSC
プログラム
SP ミュージカル『キャッツ』より
FS サーカス『O』より
主な成績
2021年東北・北海道選手権 ジュニア 6位
第38回東日本ジュニア選手権 29位
第42回全国中学校スケート大会 40位

岩手県内を中心に練習を積み重ねる中学3年生の選手です。
8歳でスケートを始めて、僅か4年ほどでバッジテスト7級を取得しました。全日本Nv.選手権に3度出場した経歴があります。今季ジュニアデビューながらも東日本に進出を果たす等、岩手のジュニア女子のエース格的な活躍を見せています。

力を上手く使い、滑らかなスケーティング。品のある所作。軸が細く、回転速度が速いスピン。時々難しそうな入りからジャンプを飛んでいく。どのエレメンツも理知的で、器用にこなせそうな演技が印象に残る選手です。2月の全中ではSPでトリプルトゥループ+トリプルトゥループ(3T+3T)を成功させています。

SPはキャッツの曲を2つ使用したものです。メリハリの効いた演技にぜひ注目して見てほしいところです。前半は、技と技との間で、ポジションが綺麗なスパイラル等の小技を駆使しながらしなやかに魅せていきます。後半部分はテンポが速い曲を使用しており、それに合わせて躍動感溢れる動きを魅せていきます。体を激しくアップダウンさせて滑っていくステップシークエンス(StSq)は大きな見所です。

FSでは、3連続ジャンプのセカンドジャンプと、サードジャンプが両方ともループジャンプという少々珍しいパターンのジャンプもプログラムに組み込んでいます。透明感、力強さ、壮大さ、情景が豊かな演技が印象に残ります。

毎度毎度大きな力を感じさせる演技で、この先が楽しみになる選手です。進路の年となる来季、どうかステイヘルシーに、また来季も拝見できることを願ってます。

No.24 加藤海里選手 (カトウ カイリ)

所属 盛岡中央高校→?
プログラム
SP In This Shirt(歌:ジ・イイレプレッシブルズ)
FS アニメ『ユーリ!!! on ICE』より『ピアノ協奏曲ロ短調 アレグロ・アパッショナート』
今季主な成績
第71回全国高等学校スケート選手権大会 21位

3月に高校を卒業しました。卒業前時点では岩手県を中心に練習を積み重ねていました。
MFアカデミーに同姓同名の選手が所属していますのでご注意ください。
2019・20年全日本ジュニア選手権に出場した経歴があります。今季はブロック大会を棄権しましたが、インターハイに出場しました。
地元のTV曲のインタビューで、羽生結弦選手(ANA)が憧れと話していました。

思いっきりよく踊る姿
に大きな衝撃を受ける選手です。
とにかく体が動くのですよ。柔軟性が高さから、足が高く上がったり、しなやかな動きが大きな見所の一つとなっています。手足が長いのも相まって、振付が非常に大きく見えます。それらに加えて踊るのが大好きと言わんばかりに、アピールする気持ちが強いのですよ。
だから、踊りのインパクトが強烈なのです。

今季新しくしたSPは、切ない歌詞に合わせたエモーショナルな滑りに感動を通り越して驚いてしまうプログラムです。
力強さとしなやかさを併せ持つ所作で、伝えたい思いを外へ外へどんどんアピールする姿にただただ圧倒されます。

3シーズン継続して使用しているFSは、大人気アニメ『ユーリ!!! on ICE』の曲を使用していると常に話題となりました。主人公のライバルであるユーリ・プリセツキーのFS使用曲です。
今季はStSqが大きく変わっていて、イーグルやイナバウアー等が大きな見所となるようになっています。またジャンプ構成や、スピン構成も一部変更されています。
体を大きく使って、アグレッシブに滑りつつ、要所要所でのタメ、しなやかさがアクセントとなり、見ごたえあるプログラムです。曲のバックボーンが非常に強力な中、情熱的な滑りで果敢に攻めていく姿が観て爽快になります。

せっかくの機会ですので、2022年インターハイの公式アーカイブ映像をご覧ください↓

出典:インハイTV YouTubeチャンネル
SP(1:00:20~1:05:45、指定された時間から再生します)
FS(24:35~32:50、※解説有、指定された時間から再生します)

憧れの選手が言わなくても、はっきりと分かる動きの数々ですね。
執筆時(5月下旬)には、SNS上で部員紹介する大学のスケート部に名前はなく、進路が気になるところです。もしも競技を続けるのであるのなら、今度はどんなプログラムを披露するのか非常に楽しみな選手です。どうかステイヘルシーに、この先も加藤選手らしさ溢れる踊りを披露出来ますように。

今回はここまでです!
最後までお付き合いありがとうございました。
秋田は通年リンクが無く、岩手は2016年まで通年リンクが無かった中で練習を積み重ねて演技を披露しています。コロナで一時リンクが閉鎖されるという苦難を乗り越え、ブロックに出場してきました。どうか1つでも多く通年リンクが増えてほしいと願うばかりです。
次回は宮城編part1です。
この先も読んで頂けたら幸いです!

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