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東日本フィギュアスケート特別講座2023

【2023年版】東日本フィギュアスケート特別講座 長谷川一輝 編

2023年5月13日、本日は男子シングル長谷川一輝選手(東京理科大学)22歳のお誕生日を迎えました!毎年好評の『特別講座』を今年も開設しました。ぜひご覧ください!

こんにちは!大学院修了フィギュアスケートファンのLenaです!

今年は諸事情により、東日本概論シリーズは執筆していません。なのに、5月13日にブログを更新するということは…そう、これだけは開講させていただきます!!

本日(5/13)は東日本概論シリーズの北海道男子編の常連長谷川一輝選手(東京理科大学)22歳のお誕生日です!!!
おめでとうございます🎉

毎年恒例、今年で5回目となりますね。毎回概論シリーズで紹介しきれない!!という熱量をここにぶつけています。
長谷川選手について、とことん語る回にします!!
(過去同シリーズは→2019年2020年2021年2022年)

ただ、1つご注意お願いします。有り余るエネルギーの結果、情報量が多くなり長文となりました。引かないでください。…最後の忠告です。本当にご興味ある方のみ、読み進めてください。

本当に、本当にご覧になりたい方は、
☑データ
☑トピックス
☑スケーターとしての魅力
☑SP・FSそれぞれのプログラムについて
この4点から講義を進めます。それでは行きましょう!

データ

2022-23シーズンデータ(※敬称略,5/5時点で公表されているもの)
生年月日:2001年5月13日
学校:東京理科大学
所属クラブ:明治神宮外苑FSC・東京理科大学フィギュアスケート部
コーチ:横谷花絵
国体代表:北海道
プログラム
SP Happy(Chartbeat-Version)
FS The Beatles Concerto
プログラム振付
SP 横谷花絵
FS 横谷花絵
成績
第60回北九州オープンフィギュアスケート競技会 選手権男子 2位
2022年 東京夏季フィギュアスケート競技大会 シニア男子 3位
2022年東京選手権 男子 7位
第16回東日本学生フィギュアスケート選手権大会 7,8級男子 2位
第48回東日本選手権大会 2位
第91回全日本選手権大会 22位
第94回日本学生氷上選手権大会 フィギュア競技 7,8級男子 8位
第77回国民体育大会冬季大会 スケート競技会 フィギュア競技 成年男子 14位
第50回関東学生フィギュアスケート選手権大会 7,8級男子 3位

今季のトピックス

北海道から上京し、明治神宮外苑FSCに移籍し早3年目。懸命に勉強したとしても、進級が難しいと言われる東京理科大学の3年生として2022-23シーズンを迎えました。

今季は8月上旬の飯塚杯がシーズン初の大会となりました。北海道時代は、8月下旬の『SAPPORO CUP』でシーズン初の大会だったため、今までで一番早いシーズンインとなりました。
そこから東京夏季フィギュア、クラブのエキシビジョンに出演し、ブロック前の密度が濃かったかと思います。

そうそう、今季はフィギュアスケート大きなルール変更が行われましたね。とりわけスピンのレベルの取り方が変わり、多くの選手が試行錯誤を重ねました。スピンを得意としている長谷川選手も例外ではありません。

ジュニア時代からほぼ同じ構成を貫いていたCCoSpを大きく変えなければならなくなりました。
長谷川選手のCCoSpは、SForSS→NBP→足替え→キャメル基本姿勢→シット基本姿勢→US(足替え後3つの基本姿勢達成)というレベルの取り方をしていました。それが、足替え後の3つの基本姿勢でレベルを取れなくなり、更に新ルールでレベル4必須条件が無いという状況になりました。

そこで、飯塚杯から東京ブロックにかけ、スピンにおいて様々な試行錯誤を積み重ねていました。

飯塚杯では、FCSpは主にジュニア時代の構成で、キャメルサイドのポジションがドーナッツではなく、T字に近いものを取り入れていました。CSSpが、難しい入り→スピン中のジャンプ→足替えはこれまでとは変わらず、シットフォワード→チェンジエッジを入れました。足替え後は昨季FSのFCCoSpの1回目の足替え後と同じでしたね。CCoSpで、シットビハインドから直ちにキャメルアップワードという難しい姿勢変更を初めて取り入れました!
FSはCSSpはSPと同じ構成、CCoSpは足を替えたあとキャメルサイドをやろうとして上手くいかず、そのあとお得意のトンプソンをやっていました。FCCoSpは足を替えたあとが昨季から変わり、シットサイドから非基本姿勢でレベルを取り、もう一度足を替えてバックスクラッチするのは昨季とは変わっていません。

結果は中々上手くレベルが取れないというところになった模様です。

9月のエキシビジョンは、SPを披露しました。
この時、CSSpとCCoSpの構成が以下の通りに大きく変わりました!
CSSp 難しい入り→スピン中のジャンプ→シットビハインド→足替え→シットサイド→難しい出 CCoSp キャメル基本姿勢→シットフォワード→チェンジエッジ→ジャンプして足替え→アップライトストレート
難しい出を初めて導入したのが、個人的には嬉しいところです!

東日本までには(東京ブロックはFSはキスクラでの会話から、本来実施する予定の構成とは違ってたみたいです)、(○→レベル取り要件、◎→レベル4必須要件)
SP
FCSp バタフライ◎→CF○→CU○→CS○
CSSp 難しい入り○→シット基本姿勢→スピン中のジャンプ○→SB○→足替え→SS○→難しい出◎
CCoSp キャメル基本姿勢→SF○→CE◎→ジャンプして足替え○→US○
FS
CSSp 難しい入り○→スピン中のジャンプ○→SB○→足替え→SF○→CE◎
CCoSp SB→CU○の難しい姿勢変更◎→足替え→US○→難しい出◎
FCCoSp バタフライ◎→CF○→足替えで左→SS○→NBP○→足替えで右→アップライト基本姿勢
という構成になりました。(字数の都合上記号解説なくてすみません…)ルールに対応させるだけでなく、CSSpとCCoSpはSPとFS共に同じレベルの構成にしても大丈夫にも関わらず、別の構成にしているのもまた不思議なところです。

一昨年の全日本で、理系すぎる趣味・特技欄を書いて話題となりましたね。今季はブロックで見せましたね…『特技 両手トリル、趣味 家計簿をながめる』!両手トリルはリズムゲームの用語です!家計簿をながめるは、ジュニア時代に『特技 そろばん』と書いていたことがつながっているかと考えます。東日本以降は、特技がPC組み立てに変わり、フジスケのHPでは自作のPCを紹介してました!!

10月の東日本インカレで、FSで132.74を出し、見事2位に輝きました👏シニアカテゴリーでは自己ベストを更新、2018年フリースケーティング大会で出した自己ベスト132.77にあと少しに迫る高得点でした!!この時はジャンプ8本、ジュニアプログラムでしたので単純な比較は出来ませんが…久々にFSで130点を超えました!!この時無観客でかつ、中継が無かったため、一般が見れる機会が無いのが非常に悔やまれるところです…
約2週間後に同じ会場で行われた東日本では、この大会上位4人のみ全日本に行けるという厳しい戦いとなりました。『ボーダーになりかねない状況』という中、SPは3位、FS2位で総合2位で3年連続で全日本選手権出場権を獲得しました!!SPはジャンプをすべて揃えました。FSは2A+3Tの着氷で堪え、2Aから3連続ジャンプをするはずが単独になってしまい、『根性で!!』と1番最後の3Lzに2T+2Loを付けてリカバリーしました!!Jr.時代に3F+2T+2Loを構成に入れて成功させたこと、リカバリーで3S+2T+2Loを決めたことがありますが、3Lz+2T+2Loは本番で見たことがなかったのです!!惜しくも2Loにqマークが入りましたが、緊張する中熱い演技を披露しました!東日本の会場は2017年の全日本Jr.選手権で7位となり、あと一歩でSr.の全日本を逃した場所であります。本人は意識していたかは不明ですが、5年前のリベンジを果たしました。
更に、今年1月にアメリカで行われたワールドユニバーシティゲームの第3補欠にも選ばれました👏

12月の全日本選手権では、なんと3年連続でSP17番滑走を引いたのです!!本番はジャンプを揃え、スピンのレベルの取りこぼし等ありましたが、SP18位となり初めてFSで第2グループで滑りました。

年明けすぐにあったインカレは、北海道苫小牧市で行われました。苫小牧は長谷川選手が北海道時代によく練習をしていた場所でありました。札幌市は通年リンクが2箇所あるものの、他競技の方が盛んな地であり練習環境が厳しく、札幌近郊のリンクに足を運んで練習を行っていました。そう言えば、同じ苫小牧市内のリンクで、長谷川選手が高校3年生の時に、兄弟子であった羽生結弦さん(羽生さんの最初のコーチである山田真実先生が、長谷川選手の北海道時代のコーチ)の練習を見学しましたね。その後のインタビューで、非常に刺激を得たと述べています。
全日本のFSでミスが目立つ演技となり、休まずに練習を積重ねて挑みました。1番滑走という状況の中、ジャンプ7本を全て揃え、GOEでマイナス評価が1つも無い演技を披露しました!!
本人も控えめなガッツポーズを見せていました!個人で8位入賞を果たしました!

同じ月の国体からSPで、これまでは2Aだった3Aに挑むことになりました。FSは一般客が入れる時間に行われた公式練習で、綺麗に成功させる場面があったものの、本番では回避しました。

4月に、毎日新聞の朝刊の連載『学校とわたし』にてインタビュー掲載されました。著名人が学校生活を振り返るというコンセプトの連載となります。フィギュアスケートでは、壷井達也選手(シスメックス)が掲載されたことがあります。これまで『文武両道』をモットーにしてきた長谷川選手、その高校生活、一般受験をして大学に入ったこと、競技について語られていました!生まれは神奈川で、北海道育ちと紹介されていました。遅くとも小学2年生までには、札幌に移り住んでいて、大会に出場しています。
あっ、有料記事ですので、これ以上内容を話すのは控えておきましょう。

無事に4年生に進級を果たしました!
GW中に、リンクの一般滑走中にエキシビジョンを行う企画に出演しました!なんと最終日の1番最後、大トリを務めました!
北海道時代は3月に大会が終了し、8月まで試合が無く、人前で演技する機会はありませんでした。5月に観客を前にして演技を披露するのは初めてだったことでしょう。
直前の練習では、3Aに挑み着氷でステッピング・アウトしていました。今季SPを披露し、本番で綺麗に成功させました!
クラブの後輩達からの熱い応援を受け、終始笑顔で滑り、リンクが大きく盛り上がる演技で締めくくりました!

続いては、魅力について語ります↓


スケーターとしての魅力

スケーティング1つ取っても、スピン1つ取っても、ジャンプも、時々驚くような技を飛び出してくるところも、所作1つ、音の捉え方1つもどれも魅力的で…だからこのような講座を開いているのですよ!!!

どの観点から見ても、1つ行き着くのは
持っている高い能力をフルに活かしている
ということでしょう。

東日本選手権で解説を務め、長谷川選手が北海道時代に同じクラブに所属していたことがある鈴木潤さんは
・元々身体能力が高い
・全ての要素を卒なくこなす

とコメントをしていました。
小学生時代に野球をやっていて、フィギュアスケートをあまりやっていなかったものの、山田先生が能力を見て、フィギュアスケートに懸けた方が良いと見出した経緯があります。
運動神経の良さ、関節の柔らかさが、3Aまでマスターし、あっと驚くほど高いジャンプ、姿勢が美しく、最後までスピードが落ちないスピン、スケーティング等に活かされていると考えています。高い基礎を身につけられるから、意表を突くような技が出来るのかもしれないです。今季はSPは開脚ニースライドであったり、昨季SPはニースライドしながら足を上げたり、過去にはシットの姿勢でツイズルしていたら突然ウィンドミルして入るCSSpを披露してました。イーグルが得意で、多彩な手の振付付きでプログラムのアクセントとして取り入れています。

エレメンツだけでなく、表現の面において
長い手足を活かしてスケールが大きくかつ、品のあるに見入ってしまいます!姿勢の良さ、プロポーションも相まって、実際の身長より10cm以上大きく見える滑りが出来る選手であります。
あと、どんな曲もモノにし、情感豊かな演技にしていきます。音を素早く掴み、動きに変換するのが上手い選手だと感じています(両手トリルが特技なのも、この能力のおかげかもしれません😁)。所作が綺麗なので、あらゆる曲調に対応でき、魅力あふれる演技を披露できるのかと考えてます。

横谷先生は上品な動きと、曲の盛り上がりに合わせて振りを組み立てていき、印象に残るようなプログラムが多いと感じています。
ここに長谷川選手の元からの良さが加わったら、どうなることでしょうか?間違いなく最強です!

神宮に移籍してから、音を捉え、自分の伝えたい思いを振りで明確に示していく姿勢が見え、よりドラマチックな演技に感じているこの頃です。この先どこまで進化した姿を魅せれるのか、楽しみになるスケートだなと感じています。


次のページでは、今季SPとFSについて語ります!!まだまだ!という方はぜひ、クリックしてください!

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