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東日本フィギュアスケート特別講座2024

【最終講】東日本フィギュアスケート特別講座 長谷川一輝 後編

2023-24シーズンをもって現役引退となった男子シングル長谷川一輝選手(東京理科大学)
毎年誕生日に合わせて行った『特別講座』を、前編、中編、後編に分けて行います。後編では、選手としての魅力を講義します!最後にぜひご覧ください!

小学3年生の頃から高校卒業まで指導し、長谷川選手の才能を見出し、育て上げた山田真実先生は、インタビューでこう答えています。

『運動神経がとてつもなくいい。子どもの頃から発揮していた。』

[5] Sapporoジモスポ★ はばたけ!未来アスリート フィギュアスケート男子 長谷川一輝

また、鈴木潤氏は、

『(ジャンプに関して)途中若干高く跳び過ぎたなというところもあって、もともと、身体能力が高くて、ポテンシャルがありまして』

2022年東日本選手権 選手権男子FS FOD解説

と、解説で言及したことがありました。

大学進学後に師事した横谷花絵先生には、

『いろんなことができるんじゃない?』

[3] フィギュアスケートLife Vol.29

とも言われました。

筋力があってかつ、180度開脚できるほどの高い柔軟性を持っていたという身体能力が光る選手でした。

このおかげで、力強さも、綺麗さも、上品さも、柔らかさも、自由自在に表現することが出来たと考えます。そして、姿勢の良いスケーティング、ノーブルさ、高いエレメンツの質とありとあらゆる才能につながるのです。

『実際の身長より10cm以上大きく見えるスケート』
これは、長谷川選手は身長に対して、手足が非常に長いという身体的な特徴に加え、どんな時も上体を真っ直ぐに滑ること、少なくとも中学生の時から身体を大きく使う振付を多く取り入れたこともあると見ています。姿勢良く滑るにも、身体を大きく使うにも、筋力が必要なものであります。

高校生時代のインタビューで、トレーニング方法について、

基礎的な体力も鍛えているし、体幹はバーベル上げとかで鍛えている

[5] Sapporoジモスポ★ はばたけ!未来アスリート フィギュアスケート男子 長谷川一輝

と言う風に答えていました。トレーニングの成果もありつつ、恵まれた身体能力も相まって、実際の身長より大きく見える演技をしていたと考えています。

また、滑りながら、音を捉えるのも上手いなと感じさせる選手でした。2022年東京ブロックで、フジテレビスケートから出された『選手情報詳細』の特技欄に『両手トリル』と書かれていました。これは音楽ゲームでの用語であります。これが特技なのは、おそらく音を捉え、動きに転換するのが早いからと考えます。スケートにおいても、音から動きを変換出来る早さが光る瞬間がありました。例えば、2022-24シーズンSPでは、細かくリズムを刻む振りが多く、それをいとも容易くこなしていました。

大学進学後は、より多彩な技を引き出し、際立たせていく振付で、より沢山のファンの印象に残していったかと感じます。

例えば、2021-23シーズンFSのChSqでのアウトサイドイーグルからのバレエジャンプの流れや、2022-24シーズンSPのStSqでの前後180度に開脚した状態でスライドする等、ファンを驚かせていました。それらが見所となり、印象付けていました。

『ChSq、イーグルからおっきいバレエジャンプっていう、身体能力を最大限に生かして、自分にできる全てを見せてくれました。』

2022年東日本選手権 選手権男子FS FOD解説

プログラムの繋ぎだったりとかの運動量が他の選手よりも多いなという印象で、コレオステップもオリジナリティ溢れるいいコレオステップだったなと思います。

2023年東日本選手権 選手権男子FS FOD解説

鈴木潤氏も、解説でこのように言及しました。

沢山の『光るポイント』があり、沢山のファンを惹きつけた選手だったと、筆者は感じています。スケートそのものは勿論、東京理科大学という難関大学に現役合格し、卒業し、大学院進学したこと、理系の学業との両立、兄弟子でもあり五輪金メダリストと接する機会があったこと、大会成績の外で起こったことも全てを氷の上にも反映させていました。

文武両道を貫き、勉強と練習の時間をやりくりし、得た学びを学業とスケートそれぞれに活かしていきました。

こうして築き上げたスケートは、2人の五輪出場スケーターを惹きつけ、雑誌で取り上げられたり、アイスショーに呼ばれたりと、高く認められたのです。

長谷川選手本人にとって、スケートとは何なのかという問いに対し、

『スケートは、長谷川一輝そのものだったと思います。これだけ長い時間をかけてやってきた。本当に涙が出るくらい大切なものだったと感じています』

[4] 東京理科大・長谷川一輝が現役引退 大学院でバイオマテリアルの研究に専念

と答えていました。

『長谷川一輝』として魅せることができる、稀有な選手だったと感じています。名前の通り、『一つのことに光り輝く』ような選手でした。その記憶は、これからも、観た者の記憶に刻み込まれるでしょう。

長谷川一輝さん、長い間お疲れ様でした。そして、ありがとうございました。この先の道に沢山の幸があることを、その延長線上に再びスケートがあれば、嬉しいことです。

最後に出典一覧をまとめておきます。

参照外部資料
出版:新書館
[1]・ワールド・フィギュアスケートフィギュアスケートNo.91
出典:フジテレビSPORTS 公式YouTubeチャンネル
[2]・【全日本選手権への道 東京選手権2021】選手インタビュー動画〈フジテレビ公式〉46:04~48:29(その時間から再生します)
出版:扶桑社
[3]・フィギュアスケートLife Vol.29
出典 4years. 2024年2月29日 公開
[4]・東京理科大・長谷川一輝が現役引退 大学院でバイオマテリアルの研究に専念
放送:J:COM 札幌エリア 2019年11月18日初回放送
・[5]Sapporoジモスポ★ はばたけ!未来アスリート フィギュアスケート男子 長谷川一輝
挑戦楽しみ「我が道」を フィギュアスケート選手・長谷川一輝さん
・2023年5月23日 公開
「長万部に行けなくても…」理系スケーターがコロナ禍で得たもの
・2023年6月4日 朝刊
異例の理系生活、刻む 節目の来季、全日本へ 長谷川一輝選手

以上です。

最初は友人がブログで推し選手の魅力をまとめるのを見て、筆者もやろうと思ったのがきっかけで始めたのが、この特別講義でした。2019年から、年に1回のペースで、計6回、合計8記事、長きにわたってお付き合いいただきありがとうございました。

一度書き始めたら止まらなくなる、情熱をもって観続けられるような、そんな選手に出会えたことを誇りに思っています。誠にありがとうございましたと伝えたいです。

筆者は、フィギュアスケートの現地観戦に行き続けると思います。とその前に、将来やりたいことのために、勉強に、試験に、様々なプロジェクトを始動させます!これらが、フィギュアスケートに直接役に立てるように、動いていきます!

またブログを始動する日が来ましたら、お付き合いいただければ幸いです!待ってて!

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