(続き)
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完成までどれぐらいかかった?
練習を開始したのは2021年バレンタインの頃でした!ちょうど修士論文も最終提出という大きな関門を越えた時でしたね。前々から弾きたいなと思っていたこの曲を弾いてみようとなって始めたのですが…
譜読みの時点から頭が爆発してしまいました!!
全体のイメージが分かってはいます。ただ、いざ弾こうとしても、これはどう動いて、この先はこうで…と片手ずつであっても、1音1音探りながら弾くから遅々として進まない状態でした。全て弾ききるのにもう10分は軽く超えましたね。苦行でした。最後の音を弾き終わった瞬間頭痛くなりましたね。長時間永遠と動きがわからない曲を弾いたせいでしょう。こんな経験初めてでした。
これはいつになったら完成するの?
と絶望感を味わいましたね。もう諦めて他の曲を…と思いましたが、折角プリントしたし、最後までやりきらないのは勿体無いなという諦めの悪さだけを頼りに練習を続行しました。しかし、
片手だけでも、いくら練習しても手が旋律を覚えてくれる気がしないのです!!
それが1・2週間ほど続き、ある時気付いたのです。
楽譜には3小節だけ指使いが書かれていました。そこと、あと比較的簡単な所は迷うことなく次どう動くかすんなりと覚えてくれていたのです。
指が次どう動くか掴めないまま練習を重ねているから、いつまで経っても飲み込めないんだ!!
そうだ、もうほとんどの指使いを最初から決めてしまえ!!と決断したのです!!
ピアノ習ってる人ならメジャーな練習曲の1つ、チェルニー30番・40番を筆者はやっていました。ツェルニーは指使いがほぼ決まっていたと思い出し、また演奏のテクニックもかなり学んだ練習曲でした。近接する音を素早く弾きながら、音がだんだん高い音へ行ったり、低い音へ行ったりと繰り返す曲でしたので、そういう時にどの指使いでいくのがベストなのか、自分の手の大きさと経験を考慮しながら決めていきました。
その頃仮面舞踏会とAnthemを同時進行で練習を進め、そちらを先に完成させることを優先して進めていたのもあっため、全部の指使いを決めるのに2・3回位かかりましたね。指使い決めて楽譜に書き込むのも難しかったです。
ただ決まってからその通りに練習し始めてから、指に落とし込めるスピードが格段に早まりました!これで第一関門クリアと安心できないのですよ。
片手でもかなり手こずる曲は、両手で合わせてもかなり手こずりますよね…
そして、
ミスタッチが減らない!!
これは兎に角、仮面舞踏会の時でも学んだ通り、
☑部分練習を徹底的に行うこと
と同時に、部分練習では
☑間違えたらその場で弾き直さず、その前か、最初からやり直して弾く
☑ゆっくりミスが無くなるまで弾く
これを意識しました。
通し何回かで弾く前に、この部分練習を徹底的にやりました。お陰様で、少しは…ミスを減らすことには成功しましたが…
5月初めからアップロード用に本格的に撮り始めたのですが…もういくら練習しても、ミスしてミスしてミスしまくる。原曲よりテンポがまだ遅い…中々完成出来ない…という状態になりました…
諸事情あって6月にもう撮りきらないといけなくなって、6月の中旬に撮ったのを最後にやめました。
他の曲と並行してましたが4ヶ月ほど練習しても納得のいく完成度に全く到達出来ず、最後まで上手くいかなかったのですね。勿論当初は手も足も出ないレベルだったことを考えれば、手前味噌ではありますが随分進歩したとは思ってます。本格的に撮影し出して1ヶ月でも、最初と最後ではテンポも、スムーズさも格段に違ってはいました。ただ、最後まで納得するものにはなってなかったですね。
正直に言うと、公開するかどうか迷いました。
公開に踏み切った理由は、最後までやり遂げたいという自分のプライドと、こういう考えで見ていただければなという願いからです。
コンクール出場したことなく、音大に行けないレベルの人がこの曲を弾くとこうなるのね
とお手柔らかに見ていただければ幸いです。
大人になって再開しても、レベルアップ出来るところまでレベルアップしていくという気持ちでまたピアノ弾いていきます。
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弾く時意識していたこと
この曲はテンポで分けると2つのパートに分かれます。
冒頭はオープニングみたいなイメージを感じましたね。大海原を漕ぎ出し始めた頃のように、ゆったりめに奏でていくイメージを持っていました。
まあ、オープニングに関してはマスターできるイメージは持てたのですが…なんせ、音がそこまで複雑でなかったので…その後が大問題でしたね。
本編というか、曲の本題というか
音が取り分け細かく上がり下がりしながら、最終的には2オクターブ近くの範囲を弾く箇所が有ります。ここは初期のうちから、相当部分練習を重ねた所です。いい感じに弾けると、心の中で『決まったでしょう😎』と一瞬だけ快感を味わいましたね😁
音の移動が激しい曲ですので、指だけでなく手首をいかに上手く使えるかが重要なポイントでした。手首をくるんと回すように、音が少し飛んでいるところでもスラーが指示されている場所を弾いていました。
こういうのをチェルニーの練習曲でよくやってましたね。
それで思ったのです。
これは難易度の高い練習曲
だと。それともう1つ、音の上下が激しさから
海の大波を表している
と感じました。ミスタッチ云々は置いといて、そういうの意識して弾こうとしましたね。
もうどんな曲が来てもどんとこいと言えるようになった要因の1つは、この曲を通じてテクニックを大分磨かれたことにあります。指使い、テンポ、リズムを考え、どう動くかかなり考えていき、弾きこなすのにも時間がかかったので何度も何度も練習したので、随分力が付いたなと感じましたね。
あっ、ちなみになのですが…
映画では大嵐で揺れる船の中、グランドピアノがあっちこっち衝突しながら、1900はミスなくこの曲を弾ききってるという設定なのですよ。
まず、筆者は揺れる船の中でピアノを弾ける気がしませんね(そもそも酔いそう)。
1900は天才すぎる
とこの曲を弾いて改めて感じましたね。
高度なテクニックを要求される曲を、難なくさらり弾きこなせて、自分も弾けそうと勘違いしてしまうほどですね。
そんな1900の高度なテクニックは到底真似できないとしても、荒れる海を漕いでいくスリリングさを表現できたらなと思っていましたが…どんなにミスタッチしても表現だけはと意識してましたが…はい、実際のところはミスタッチが多くなると慌ててしまい、どう減らすか対処していると、表現まで手が回りませんでしたね…。
それでは、完成品(一応)を聴いてみましょう↓
如何だったのでしょうか?
綺麗な曲は恐るべくテクニックに支えられているものでした。自分のレベルの低さを改めて感じ、奮起するきっかけとなった曲です。
時には大きな挑戦も必要ですね…。
あー、難しかった!が、もういくらでも難しい曲どんとこい!ともなりました!
これからと、筆者のペースでピアノ弾いてみたシリーズを上げていきます。
次回も読んで、聴いて頂けたら幸いです!