第92回全日本フィギュアスケート選手権競技2日目、アイスダンスRDと女子SPの全選手・組の感想をまとめます
日程:2023年12月20日(水)~12月24日(日)
会場:ビッグハット(長野市若里多目的アリーナ)(長野県長野市)
まず、アイスダンスRDからご覧ください↓
アイスダンスRD 第1グループ
1.国村柚里/坂部魁士選手組(クニムラユリ/サカベカイジ) 臨海フィギュアSC/大阪経済大学
SP振付:有川梨絵
今年競技会デビューしたカップルです。
男性は全日本ノービス選手権のアイスダンスで出場経験がある選手です。女性・男性共に初のシニアの全日本の舞台となります!
今季のリズムダンスの課題は“Music and Feeling of the Eighties”、直訳すると『1980年代の音楽と感じ』を全カップルがテーマにして作っています。
『She Drives Me Crazy』は1988年、『Jessie’s Girl』は1980年にリリースされた曲であります。
男性が背が高いというのもあり、3階席からもスケールが大きく見えました。
ノリの良い曲を男女ピッタリと動きを合わせて滑っていく姿に目を惹きました。これほど大きな舞台は初めてであろうかと思いますが、堂々と、踊っていく姿勢が素敵でした!
40.71
2.小松原美里/小松原尊選手組(コマツバラミサト/コマツバラタケル) 倉敷FSC
RD振付:ロマン・アグノエル
『チームココ』の愛称で知られるカップル。2016年にカップル結成、2017年に結婚し公私ともにパートナーとなりました。男性はアメリカから帰化し、現在は国際大会では旧名『ティム・コレト』、日本では『小松原尊』として出場しています。北京五輪に出場を果たし、次の五輪を目指していく大ベテランカップルです!
映画『ゴーストバスターズ』シリーズの1番最初の作品は1984年公開なので、80年代のテーマに、まあ、沿っていますね。
コールの後、2人敬礼ポーズ
DiStで向かい合って女性が狙い撃ち、他にもゴーストバスターズのお馴染みのメロディーに合わせたユニークな振付が組み込まれてました!
最後のお辞儀も、世界観そのもの!着実にエレメンツをこなし、世界観を伝えるというミッションをコンプリートした達成感が伝わる!
最初と最後が比較的世間に知られている、馴染のある曲で安心感ありました。『あっ、ゴーストバスターズだ』とインパクトを残していきました。
楽しい演技でした!
70.89
3.田中梓沙/西山真瑚選手組(タナカアズサ/ニシヤマシンゴ) オリエンタルバイオ
RD振付:ロマン・アグノエル
今年結成されたカップル。『あずしん』として親しまれています。女性はシングルでジュニアグランプリシリーズに出場経験がありますが、アイスダンスそのものが初めてとなります。男性は2019年からシングルと並行してアイスダンスを始め、全日本ジュニア優勝、世界ジュニア選手権出場を果たしたことがある選手です。今年シングルを引退し、アイスダンスに専念しています。男女共、シングル・アイスダンスの両方で全日本出場を果たしました。
『スーパーマリオブラザーズ』は1番最初に発売されたのが1985年ですので、80年代というテーマに…まあ沿っていますね。
衣装からして、男性が兄マリオ、女性が弟ルイージという設定が伝わります。男女で組む競技は、男性はヒーロー、女性はヒロインを演じる中、女性も男性キャラを演じるところが非常に珍しい設定です。
ゴール後、進むような動きをしながらスタートポジションにつきました。
PDの時、男性、女性がそれぞれ、高く足を上げて滑るシーンに拍手も👏
最後は勢いありながら、エレガントに、正確にターンを踏んでいき、『It’s me Mario!!』で腕組んでフィニッシュ!
ユニークさと気品あふれる実施に、会場スタオベ!
71.08 SB トップに立ちました!
アイスダンスRD 第2グループ
4.佐々木彩乃/池田喜充選手組(ササキアヤノ/イケダヨシミツ) 日本大学/西武東伏見FSC
RD振付:マリオン・デ・ラ・アソンション
今年結成されたカップルで、女性はシニアの全日本は初めて出場を果たしました!
1981年~86年にかけ活動したワム!の名曲メドレー。2曲目はジョージ・マイケルがカバーしたバージョンを使用しています。
女性の衣装が原色を使用したスタイルで、遠くからもはっきりと見えて、目を惹きます!
アクティブに滑り、ポップな踊りを披露していました!二人の表情が豊かなカップルという印象でした!
キスクラでは、コーチの一人砂山朱先生の生徒が代々抱えてきたくまのぬいぐるみがいました。
51.47
5.吉田唄菜/森田真沙也選手組(ヨシダウタナ/モリタマサヤ) 木下アカデミー
RD振付:歌:イギー・ポップ/X/モトリー・クルー
今年結成され、『うたまさ』の愛称で親しまれているカップルです。カップル男女共に、ジュニア時代に別のパートナーで全日本Jr.優勝、世界Jr.出場の実績があります。10月に行われた予選会では、優勝を果たして迎えた、初めてのシニアの全日本。
1曲目は1986年にリリース、2曲目は1965年に最初に発表されたものを、1984年にアメリカのバンドXがカバーしたものを使用、3曲目は1987年にリリースされた曲です。
冒頭、男性がいきなりバタフライして筆者はびっくりしました。
男女共スケーティングに勢いがあり、アップテンポに対してもピタッ、ピタッっと音と動きを合わせていける力に目を張りました!SqTwの中の3つ目のツイズルで男性が転倒するミスがありましたが、最後までビュンビュン飛ばしていく演技
持味のスピード感を存分に活かしたプログラム!女性のパンツスタイル、男女とも黒と赤がベースの衣装というのもあり、二人はF1レーサーかと思いました。スリリングな一時でした!
64.00
6.木下あかり/田村周彦選手組(キノシタアカリ/タムラタカヒコ) 慶應義塾大学/三田スケートクラブ
RD振付:宮本賢二
2年連続2回目の出場のカップル。男性がこの春に慶應義塾大学を卒業し、一般企業に勤めながら競技を継続しています。
1曲目は1989年、2曲目は1979年、3曲目は1990年に発表された曲になります。厳密に80年代でなくても、その時代に近い雰囲気を出せばよいという解釈なのでしょうか。日本の80年代はこんな感じだったよねという、衣装や曲を選んできた印象です。
サザンオールスターズの曲を、フィギュアスケートで使うという斬新な発想です。日本語の曲で、世間に広く馴染みがあり、全日本という舞台であるからこそ、観客が容易に世界観を解釈しやすくなると感じました。
滑りは、同じ大学同士で年齢が近いこそだからできる信頼関係が、大きな持味のカップルです!呼吸をそろえ、安心してリフトが見られるそんなカップルです。
最後の希望の轍では、観客が容易にノリやすいので手拍子が起こり、インパクトを残していきました。爽やかな演技がとても素敵でした!
47.30
今季のRDは、1980年代付近の曲、映画、ゲームであれば良いということなのでしょうか。後で調べてみて、ゴーストバスターズ、スーパーマリオブラザーズは1980年代に最初に生まれたことを初めて知りました。作品背景、歌詞の意味を知ると、より観戦が楽しくなりますね。
続いて女子SP第1グループ1~5番の感想です。