女子SP 第4グループ
17.千葉百音(チバモネ)選手 木下アカデミー
SP振付:ミーシャ・ジー
宮城県出身、プロフィギュアスケーター羽生結弦さんが震災後再開した仙台のリンクで『元気にしてた?』と呼び掛けていた小さな女の子が、千葉選手だったのです。昨季はジュニアながら四大陸選手権で3位を獲得し大躍進!更なる飛躍を求め、今季シニアデビューのタイミングで、京都府に拠点を移しました!
初めての海外の振付師に頼み、今までとは大きく違う曲を選ぶという挑戦づくしのプログラムです!
しっとりと、たおやかな印象が強かった千葉選手の演技に、華やかな彩りを添えたプログラムです!
しっかりと集中しきり、強い意志が3階席にも伝わってました!
StSqの際、テンポが最高潮に上がり、観客の手拍子に乗った演技が素晴らしかったです!
フィニッシュポーズで膝ついてのけぞった際の笑みが、強く印象に残りました!
68.02 SB
18.青木祐奈(アオキユナ)選手 日本大学
SP振付:青木祐奈
今季大学4年生にして、初めてグランプリシリーズNHK杯に出場を果たしました。全日本のあとに進退を決めると公言して挑んでいます。
ノービス時代から、3Lz+3Loという高難度かつ世界でも成功例が少ないコンビネーションジャンプが、青木選手の1つ代名詞となっております。
青木選手自ら振り付けたこのプログラム。映画『華麗なるギャツビー』で多く流れた曲を選びました。この曲だけを使うのは珍しいことです。タイトルにある『若さと美貌』、それを失っても愛してくれるのかという歌詞がつけられてます。
冒頭3Lzが単独となりました。最後の3Fに2T付けてリカバリーを図りました。
淡々としていて、起伏が少なく、少し投げやりにも感じるボーカルに合わせ、丁寧に演じていく滑りに唸らされました。StSqでは、観客に対して問いかけるようにも感じました!
体から音を発していくようにも見えるのですよ、青木選手の滑りは。そして観客は持つエネルギーに吸い込まれていくと感じた演技でした!
61.44
19.渡辺倫果(ワタナベリンカ)選手 TOKIOインカラミ/法政大学
SP振付:宮本賢二
昨季グランプリファイナル、世界選手権に出場を果たしました。今季はグランプリシリーズから、学生の大会にも、出来るだけ大会に出場しています!
今季はアクセルはダブルにし、後半に3Lo+3Tのコンビネーションジャンプを入れるという挑戦をしています!
振付以外にも、メイク、髪型、衣装といった細かい所からも、『魅せる』という意識の強さが伺えます!
1本の線でつながった滑りから、アバターの世界に引き込む演技でした!上から見ていると、トレースの美しさが際立っていました!己をしっかりと見つめ、一つ一つを着実に積み上げていく、そんな姿勢が光っていました!
63.66 SB
20.三原舞依(ミハラマイ)選手 シスメックス
SP振付:ジェフリー・バトル
昨季グランプリファイナル優勝、世界選手権に出場を果たした三原選手!右足首の怪我を抱えながらの出場となりました。
スタートから覚悟を決め、自分の世界に入っていっているように見えました。
ジャンプを降りる度に、花が開くような笑みを浮かべていました!StSqで『Fry』に合わせてバレエジャンプしてからスタート、曲の盛り上がりが最高潮、暖かく、輝く笑顔で会場を優しい雰囲気に包んでいきました!
会場総スタオベ!特大ガッツポーズが飛び出ました!
67.70
21.島田麻央(シマダマオ)選手 木下アカデミー
SP振付:ケイトリン・ウィーバー
東京都出身、昨季はジュニアながらシニアの全日本で3位表彰台、今年はシニアの全日本のシードでかつ、全日本ジュニア女王として、ジュニア推薦としても出場を果たしました。
3A、4Tといった高難度ジャンプを演技に組み込む、大きな力のある選手です。冒頭は、ジュニア女子SPでは入れることができない単独の3Aを綺麗に決めました!そのあとのジャンプは、3F単独にし、後半の3Lzに3Tを付けて、ジャンプコンビネーションにしていこうとする作戦でした。
所作のエレガントさ、細かな音の取り方にも気を配った滑りも、島田選手の大きな見所だと感じてます。
手拍子が入って会場が盛り上がっていくのを感じました!
最後のエレメンツはCCoSp、足を替えてからI字ポジションで速度増加をかけながら回っていくスピンで締めくくりました!
65.23
22.住吉りをん(スミヨシリオン)選手 オリエンタルバイオ/明治大学
SP振付:ミーシャ・ジー
今季、グランプリフランス大会のFSで4Tを成功させ、グランプリファイナルに出場と大活躍を見せている住吉選手!
エレメンツ、表現、どちらも極限まで追求していく、職人技のような演技が最大の持味です!
一つ一つの音を、細かいポーズまで突き詰めていって氷上で表していくプログラムがどれも素敵で・・・毎度どんな演技を披露するのか楽しみにしています!アーティスト×アスリート、それが住吉選手のスタイルとも言えます。
大きくカーブを描くスプレッドイーグルからのアクセルジャンプ、上から見ているとその軌跡がよく分かりました。
ストレートラインの軌道を取ったStSqでは、エキゾチックな曲調を切れ味良く捉えていました!
一番最後のエレメンツである、FCSpでスピン回っている最中の手の振りが凝りに凝って、凄いと感じました!
56.70
住吉選手の滑りは生きる芸術そのものですね。
次は最後、第5グループ23~28番の感想です。