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【レビュー】全日本フィギュアスケート選手権大会 2023年 競技3日目 ペアFS,男子FS編

第92回全日本フィギュアスケート選手権大会 12/23 競技3日目 ペアFS・男子FS 全組・選手の演技感想

男子 第2グループ

7.片伊勢武アミン(カタイセタケルアミン)選手 関西大学

FS:アルバム『Tree of Life Suite』より(演奏:ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団)
FS振付:鈴木明子

SPで初めて後半グループで滑り、タンゴの名曲に合わせエレガントさと情熱に満ちた滑りを披露しました!

FSは雄大な自然を表す曲を選びました!

前半は高く柔らかいボーカルが入った曲でした。

おっきく伸びるスケーティングが、観てて気持ち良かったです。マイナスイオンを浴びるような感覚でした。

冒頭の3Aは綺麗に決めました!その後も着実にジャンプを決め、緊張感が走る中、最後の3Fも降り立ちました!そこから『West Side』のメロディーが流れて、ChSqに突入します。『ジャーン』と音に合わせ、アウトサイドのスプレッドロングイーグル最高でした!

会場スタオベ、本人も笑顔がこぼれました。

141.85 212.26 SB

8.佐々木晴也(ササキハルヤ)選手 京都大学

FS:2013年公開、映画『ロミオとジュリエット』より
FS振付:樋口美穂子

アイスショー滑走屋にてアンサンブルスケーターとして出演予定の選手です。

シェイクスピア原作の『ロミオとジュリエット』と言えば、数々の選手が滑り、名プログラムが生まれたテーマであります。佐々木選手は、今回2013年に公開されたバージョンを使用しています。

独特なマイムをアクセントになるプログラムでした!最初から最後まで、ジュリエットへの愛を叫んでいくような演技でした。その熱量に圧倒された!

最後は倒れ込んで、ロミオの死を表していました。

どんな時も力強く、逞しさを感じるスケーティング、音に対して冷静さもありつつも思いをぶつけていく。そんな演技が光ってました。

137.99 208.87

9.中田璃士(ナカタリオ)選手 TOKIOインカラミ

FS:映画『007』シリーズより
FS振付:宮本賢二

ジュニアから推薦出場し、既に2024年ユース五輪日本代表として内定しています。世界ジュニア選手権代表を懸けている状況、ジュニア勢ではこの時点では上から3番目という状況で、このFSを滑ります。

昨季からの継続、昨年はFSに進めなかったため、シニア尺は初披露となります。

映画『007/カジノロワイヤル』より『Blunt lnstrument』、映画『007 スペクター』の主題歌『ライティングズ・オン・ザ・ウォール』、『ジェームズ・ボンドのテーマ』の3曲で構成されています。

冒頭は4Tに挑み、2回転となりました。続く3Aのセカンドが3回転の予定が2回転になり、2本目の3Aが2Aになりました。そこから3Lo+2Aのジャンプシークエンスを後半にしたり、最後のジャンプを2Aから3Tにして、少しでも失った点数をリカバリーしようとする、クレバーさも光ってました。

ジュニア尺ではChSqの前にStSqを配置しました。StSqでは激しい銃の撃ち合いの場面が繰り広げられていました。そして、お馴染みのボンドのテーマでのChSq。これがかっこよく、このプログラムの最大の見せ場です!

ライティングズ・オン・ザ・ウォールでのしなやかさ、クールさと力強さのメリハリが印象的でした!

128.82 200.27

10.杉山匠海(スギヤマタクミ)選手 岡山大学

FS:G線上のアリア/Mechanisms(演奏:ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団/作曲:Kirill Richter)
FS振付:佐藤有香

全日本に4度出場し、今回で2回目のFS進出となります。

全日本と大会日程が被っている全ロシア選手権も、中継を観れる範囲でチェックするほど、ロシア選手通として知られる杉山選手。多くのジャンプで、離氷後両手をあげて締める跳び方(両タノ、タケノコと呼ばれます)、高い柔軟性を活かした振り等、ロシア選手の影響を受けた演技も見所の1つです!

G線上のアリアのメロディーの中に、3Aに挑もうとし、柔らかな滑りを披露しました。

ChSqの始まりのY字スパイラルで、拍手が起こりました。

3F+1Eu+3Sの後に曲が変わりました。ピアノの歯切れの良いメロディーに合わせ、力強く進む滑りが印象的でした。

G線上のアリアでのChSqはしなやかに、StSqはキレ良く踏んでいこうとするところが、対極的に感じました。

130.96 202.64

11.本田ルーカス剛史(ホンダルーカスツヨシ)選手 木下アカデミー

FS:エクソジェネシス(脱出創世記):交響曲第3部(あがない)(歌:ミューズ)
FS振付:樋口美穂子

全日本ジュニア選手権優勝、世界ジュニア選手権、グランプリシリーズ出場経験がある本田選手。来季以降はペアに専念するため、シングルで出場する全日本はこれで最後と公言して挑んでいます。

冒頭の3Aはやや堪え、続くジャンプで4Tに挑みました。回転が足りない状態であっても、なんとか片足で持ちこたえようとする意地を見せました。その後は3F決め、3Loは2A+2Tを付けて3連続ジャンプにしました!

ChSqの時、ふっと見せた笑顔で、もう、大丈夫だと確信しました。魔法の時間がかかっていると。

最後のジャンプの助走に入る前、『ラストー!!』選手関係者から聞こえてきました!応援を受け、左足バックアウトで構え、3Lz+2Tを決めて大歓声!その後ろのStSqは、心に染み入りました!

リンクからはけたあと、濱田美栄先生が涙を流し、ティッシュを渡して、本人も泣いていました。

最後に見せる、流れ星のようなきらめきを放つ演技でした。

144.04 217.62 SB

終ったあとの余韻が・・・これだけでもう、おなかいっぱいです。

12.周藤集(ストウツドイ)選手 ID学園高等学校

FS:ピアノ協奏曲第2番ハ短調 作品18
FS振付:宮本賢二
の予定

棄権となりました。22日の公式練習の際の転倒による負傷のためです。

高校2年生、世界ジュニア選手権の代表を懸けた舞台でありましたが、先を考えての決断だと思います。

完治すること、そしてまた演技を拝見できる機会があることを願ってます。

次は後半グループ、第3グループ13~18番の感想です。

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