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【レビュー】全日本フィギュアスケート選手権大会 2023年 競技1日目 ペアSP,男子SP編

第92回全日本フィギュアスケート選手権大会 12/21 競技1日目 ペアSP・男子SP 全組・選手の演技感想

第92回全日本フィギュアスケート選手権競技1日目、ペアSPと男子SPの全選手・組の感想をまとめます

第92回全日本フィギュアスケート選手権大会
日程:2023年12月20日(水)~12月24日(日)
会場:ビッグハット(長野市若里多目的アリーナ)(長野県長野市)

まず、ペアSPからご覧ください↓

ペア

1.長岡柚奈/森口澄士選手組(ナガオカユナ/モリグチスミタダ) 木下アカデミー

SP:映画『ジャージー・ボーイズ』より『君の瞳に恋してる 』
SP振付:キャシー・リード

今年結成したペアです。女性の長岡選手は年々跳べる3回転ジャンプの種類が増え、北海道のJr.女子のエースとして台頭していた中で、今年ペアに挑戦している選手です。男性の森口選手は昨季はペアとシングルの二刀流、今季はほとんどペアに集中しています。

『君の瞳に恋してる 』はフランキー・ヴァリが1967年に出した名曲で、数々のカバーがある曲になります。今回は、映画『ジャージー・ボーイズ』で歌われたバージョンを使用していると考えられます。

サイド・バイ・サイドの3Lo、スロー3Sが鮮やかに決まって、会場のテンションが上がっていくのを感じました!軽やかなメロディーに合わせ、2人が弾むように歩く。そんな恋の物語が見える演技にスタオベ多数でした!

56.07 SB

ペアは三浦璃来/木原龍一選手組(木下グループ)が欠場となったため、1組のみの実施となりました。
引き続き男子SP第1グループ1~6番の選手の感想をどうぞ!

男子 第1グループ

1.高橋星名(タカハシセナ)選手 木下アカデミー

SP:映画『タッカー』より
SP振付:キャシー・リード

1つ下のカテゴリーのジュニアから推薦で出場を果たした選手です。今シーズンがジュニアデビューシーズンであります。昨年の全日本ノービス選手権のノービスAの優勝者でもあります。

初出場でいきなり1番滑走という状況の中、堂々とした滑りを披露したように感じました。様々な動きをスムーズにこなしながら滑っていました。音に対して、多様なポジションを決め、ジャッジにアピールしていました。指先からキラキラ輝くような、綺麗な所作が印象的でした!

68.28 SB

2.小田垣櫻(オダガキサクラ)選手 日本大学

SP:Luv Letter(演奏:DJ Okawari)
SP振付:岩本英嗣

今季シニアデビューし、全日本の最終予選である東日本選手権(日本大学は東日本所属になります)でFSで順位を大きく上げ、大逆転で出場権を掴み取りました。
小田垣選手の母でコーチでもある、小田垣香奈子先生は、現役時代全日本選手権に出場、NHK杯に出場経験もあります。そう、親子2代で全日本の舞台に立つことが叶ったのです!

母と川越正大コーチに送り出され、演技スタート。冒頭は今季意欲的に挑戦している3A!惜しくも転倒となりましたが、他のジャンプは着実に決めました!

小田垣選手の最大の魅力は、ただ音楽に身を委ね滑るだけで、観客をぐっと世界観に引き込めるところだと感じてます!最後のStSqはその持味を、全日本という大きな舞台で発揮しているところに感動しました!

54.55 SB

3.田内誠悟(タウチセイゴ)選手 富士FC

SP:Hidden Machinations(演奏:Eternal Eclipse)
SP振付:安藤美姫

ジュニアから推薦で出場を果たした選手です。今回が2度目の出場となります。JGPに出場経験のある選手です。

10月から世界選手権優勝経験のある安藤美姫先生に本格的に師事し、急ピッチで調整して、全日本という大きな舞台に立ちました。プログラムもSP・FS共に急遽作り変えました。

出来るジャンプを着実にこなしつつ、ダークな曲調、激しく鳴り響く音を捉えた演技が印象的でした!独特なしなやかさが3階席にも、はっきりと見えました!

63.89

4.蛯原大弥(エビハラダイヤ)選手 明治神宮外苑FSC

SP:Etude for the Dreamer(演奏:ジェニファー・トーマス)
SP振付:佐藤紀子

ジュニアから推薦で出場を果たした選手です。今季は大躍進のシーズン!JGPに2戦派遣され、いずれも3位表彰台に立つという活躍を見せています!全日本は今回が初出場となります。

冒頭のアクセルジャンプは、ここ最近は2Aに抑えていたところを、3Aに戻して転倒となりました。次のジャンプは3F+3Tにしていたところを3Loにしました。コンビネーションジャンプは3Lz+3Tに選択しました!ジュニアのSPのルールでは、シーズンによって単独のジャンプの種類が決められています。今大会はシニアのルールで行い、シニアはそのようなことがないのです。確実にSPを通過するため、本人の傾向を踏まえ、ジャンプ構成を大きく変える作戦に出たものと思われます。

蛯原選手は元々の踊り心に加え、大会での経験、様々な選手の良いところを吸収し、滑りに素直に反映する力の大きさに魅力を感じています。樋口新葉選手、住吉りをん選手、三浦佳生選手といった国際大会で活躍する選手と同じコーチに師事しているという影響も大きいと思われます。大会を重ねるごとに、演技に深みが増していき、観るのが楽しみになる選手です。

今回の演技は、ピアノの音色を繊細に、かつ力強く表していく姿が印象的でした!

61.85

5.周藤集(ストウツドイ)選手 ID学園高等学校

SP:Per Te(歌:ジョシュ・グローバン)
SP振付:キャシー・リード

ジュニアから推薦で出場を果たした選手です。今回が2度目の出場となります。今年の全日本ジュニア選手権で3位という立場で挑みます。

デニス・テン氏が憧れと公言していて、この曲はデニス氏かエキシビジョンで使用していた曲でもあります。選曲背景や、練習には先ほどのこともあるのかもしれません。

周藤選手は、肩甲骨から差し出される腕の動き、大きな上体のしなりから生み出される演技に泣かされるのですよ!曲が最も盛り上がるところで配置したStSqでは、持味を最大限堪能できるところです。この動きに、毎度毎度感動させられます。

74.61 SB

6.西野太翔(ニシノタイガ)選手 神奈川FSC

SP:帰ってほしいの(歌:ジャクソン5)
SP振付:佐藤操

ジュニアから推薦で出場を果たした選手です。今季がジュニアデビューであります。

ジャクソン5の名曲を中学2年生という今だからこそ演じられる選曲だと感じてます!

2本目のジャンプを3F+3Tにしていたところを、3Lz+3Tに変更しました。これも蛯原選手の時に触れた、ジュニアSPのルールの縛りがなくなったことを受けた変更だと思われます。最後のジャンプは3Fを狙ったものの2Fになり、シニアの場合は無得点となります。

ノリノリに踊ると同時に、所々で体幹の強さを感じさせる動きに驚かされます!たとえばStSqの際に予想外のタイミングで足を高く上げるところですね。

FSでは、一転してダークさと繊細さを感じる、対照的なプログラムとなっているので、ぜひというところです!

50.77

次は第2グループ7~12番の感想です。

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