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全日本選手権

【レビュー】全日本フィギュアスケート選手権大会 2023年 競技1日目 ペアSP,男子SP編

第92回全日本フィギュアスケート選手権大会 12/21 競技1日目 ペアSP・男子SP 全組・選手の演技感想

男子 第2グループ

7.中村俊介(ナカムラシュンスケ)選手 木下アカデミー

SP:El Conquistador(演奏:マキシム・ロドリゲス)
SP振付:キャシー・リード

ジュニアから推薦で出場を果たした選手です。全日本ジュニア王者として挑む舞台となります!

冒頭ジュニアのSPでは入れられない、4回転ジャンプを組み込み、4Tを鮮やかに、コーチの雄叫びも決まりました笑その後もしっかりと決めました!

昨季から継続、そして大きな称号を手に入れたこともあるのか、貫禄溢れる演技に圧倒されました!運動量の激しい振付を、いとも簡単にこなし、オーラをまとった滑りに、ただひたすら圧倒される感覚です。

81.16

8.櫛田一樹(クシダカズキ)選手 倉敷FSC

SP:Say Something(歌:ア・グレイト・ビッグ・ワールド)
SP振付:吉野晃平

高橋大輔さんがプロヂュースするアイスショー滑走屋にてアンサンブルスケーターとして出演予定の選手です。
今回が最後の全日本と公言して挑んでいます。

振付の吉野晃平先生が、プリンスアイスワールドの公演ナンバーで滑っていた曲でもあります。筆者も、この曲で滑る吉野先生の姿が印象に残っています。おそらくご自身で思い入れのある曲を、生徒に渡し、櫛田選手が思いを受け継いでいく姿が目を惹きました。

投げキッスの振りの直後に3Loに驚きました!工夫を凝らしつつ、ストーリーがはっきりと見えるプログラムです。

大学卒業後も競技を続けたことにより、滲み出る大人なオーラ、何があっても安定して自分の魅せたいものを披露する姿に大歓声が湧き上がりました!本人も終わった直後に氷を叩いてガッツポーズ!素敵な演技でした!

75.54 SB

9.杉山匠海(スギヤマタクミ)選手 岡山大学

SP:エリナー・リグビー(歌:Cody Fry)
SP振付:鈴木明子

1966年にリリースしたビートルズの名曲を、2022年にカバーした音源を使用しています。原曲ではいきなり歌詞に入っていますが、この音源では最初オーケストラの演奏が入っています。

鈴木明子さんに振付を依頼したのは初めてかと思われます。

ロシア選手が憧れと公言し、その影響がいたるところに見える選手です。ダークさ、しなやかさの不思議な化学反応に惹かれました。

71.68 SB

10.長谷川一輝(ハセガワカズキ)選手 東京理科大学

SP:Happy(Chartbeat-Version)(歌:サイモン・マーロウ)
SP振付:横谷花絵

大学4年生、来春から大学院進学予定という中で迎えた4度目の全日本。
滑走屋にてアンサンブルスケーターとして出演予定の選手です。

映画『怪盗グルーのミニオン危機一発』のテーマ曲で、ファレル・ウィリアムスが歌った曲を、ベルギーを拠点に活動する『キャピタル・ダンス・オーケストラ』が演奏、サイモン・マーロウが歌ってカバーした音源を使用しています。

昨季から継続のプログラムとなっております!
お洒落でポップに弾ける振付が次から次へと繰り出されていて、わくわくするプログラムです!
StSqの途中で無音になった瞬間に前後に開脚してスライドするという、驚きの技を披露しています。
小粋に、トリッキーさを交えつつ、シニア男子ならではの軽快な踊りが光っていました。

全てのジャンプはどうにか意地で次に繋げようとした強さを感じました!

59.25

これまでは3Aを調子によっては回避する選択を取ったことが多かったが、2023年1月の国体以来、SPに関しては1度も、どんな調子であっても3Aに挑み続けていました。そして、それが綺麗に決まった時を何度も見続けてきました。FSは今までは3A1本入れるかどうかすらあやふやだったところが、今季はどんな時も3A2本に挑み続け、3連続ジャンプは3Lo+2A+2A+SEQと基礎点が10点以上のジャンプを組み込んでいます。大学4年生というタイミングで、大技を組み込み、基礎点を大幅に上げていくという挑戦をしています。

どうか、長谷川選手の努力が報われる日が来ることを願っています。

11.志賀海門(シガミナト)選手 法政大学

SP:Chacing Car(歌:スノウ・パトロール)
SP振付:服部瑛貴

コールされたあとに、コーチの佐藤信夫先生に、背中をくるくると回して、ぽんと押される姿に、小塚崇彦さんの姿を重ねたファンも多かったかと思います。

ここ数シーズンで入れてなかった3T+3Tを以前よりパワーアップして見事に決め、テンションが上がりました!

志賀選手は、等身大の自分を魅せる姿そのものに惹かれる選手だと感じています。ありのままの自分を、素直に出していく。素朴さが最大の持味です。

シニアに上がった高校3年生の前後は、大会に思うように出場できない時もありました。苦節を乗り越え、新たな出会いを経て掴んだ大きな舞台でありました。

51.60

私には、記録以上に雄姿が記憶に焼き付きました。

余談になりますが、志賀選手はJr.時代に、現在のコーチの代表作である『詩人と農夫』を滑っていました。当時の志賀選手のコーチの松村充先生も、現役時代にこの曲で滑り、佐藤信夫先生に師事していた。そのようなことを踏まえると、詩人と農夫は弟子3代に渡って受け継がれたプログラムでした。

12.木科雄登(キシナユウト)選手 関西大学

SP:ディアブロ・ロホ(演奏:ロドリーゴ・イ・ガブリエーラ)
SP振付:キャシー・リード

滑走屋にてアンサンブルスケーターとして出演予定の選手です。

ジュニア時代はJGPシリーズに派遣された経験を持つ選手です。全日本は2年連続でSP落ちという悔しい状況で、この舞台に立ちました。

曲名はスペイン語で『赤い悪魔』という意味となります。
クラシックギターの2重奏、ギターのボディを叩く演奏方法も駆使された曲です。

情熱とキレとダイナミックな踊りに、会場のテンションが上がっていくのを感じ取りました。

ここ数年の思いを全部込めた演技に、大歓声が沸きました。

64.52

次は第3グループ13~18番の感想です。

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