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東日本フィギュアスケート概論2022

【2022年版】東日本フィギュアスケート概論 第9講 長野・山梨編

こんにちは!大学院修了フィギュアスケートファンのLenaです!

東日本フィギュアスケート概論シリーズ第9講、長野・山梨編を始めます!(過去同シリーズは→2019年2021年)
依然有観客での大会が限られる中、2021-22シーズンは五輪もあって、フィギュアスケートに注目が集まりました。一ローカルフィギュアスケートファンとして、普段拝見する機会が多い東日本の選手の魅力をもっと知ってほしいと、講義という名のもと、記事を書かせていただきます!

北海道から始まったこの東日本概論シリーズ、第6講第7講は宮城、第8講で新潟編で東北・北海道ブロック編が完結しました。第9講の今講座から関東ブロックの紹介に入ります。まずは長野と山梨からです。長野と山梨それぞれの県のスケート連盟に所属選手(3月まで含む)や、全中・インハイ・国体代表歴のある選手を紹介します。

(これまでの講義の一覧はこちらから)

※所属クラブ等のデータは2022年3月時点で、一般に公開されているものを基準にしてます。4月から所属先等変更がある場合は併記します。

まずは長野の選手からいきましょう!!!


No.43 井口せな選手 (イグチ セナ)

所属 東海大諏訪高校
プログラム
SP River Flows in You(演奏:イルマ)
FS 映画『ロミオとジュリエット』より
今季主な成績
2021年関東選手権 ジュニア 11位
第77回国民体育大会冬季大会 フィギュア競技予選会 少年女子 13位
第71回全国高等学校スケート選手権大会 39位

長野県を主に練習を積み重ねる高校2年生の選手です。
2018年に長野県で行われたアイスショー『Heroes & Future 2018 in NAGANO』でソロ演技を披露、全中・インハイ・国体で長野代表として活躍してます。

ディープエッジで滑りつつ軽やかで、エレガントな所作が随所に光り、どの瞬間も見所な演技を披露する選手です。

今季はSP・FS共に新しいプログラムにしました。

SPはピアノの美しい音色を繊細に拾った滑りが目を惹きます。冒頭からの動きに注目していたいです。しなやかな動き、清らかなスケーティングと美しい一時を描く姿が印象的です。

FSはフィギュアスケートでは王道のプログラムを選びました。1番最後のエレメンツにジャンプを持っていき、着氷してすぐにフィニッシュポーズを決める構成となっております。
優美な所作でドラマチックに描く演技が印象的でした。

SPのみとなりますが、2022年インターハイの公式アーカイブ映像をご覧ください↓

出典:インハイTV YouTubeチャンネル
SP(1:01:01~1:06:40、指定された時間から再生します)

指先までしっかりと綺麗で、観て気持ちの良い選手ですね。今はリンクが閉鎖している時期となりますが、どうか上手く練習でき、また来季演技を拝見するのを楽しみにしてます。

No.44 大久保政宗選手 (オオクボ マサムネ)

所属 長野日大高校
プログラム
SP 映画『ヘンリー五世』より
FS 映画『遥かなる大地へ』より
今季主な成績
2021年関東選手権 ジュニア 3位
第38回東日本ジュニア選手権 12位
第77回国民体育大会冬季大会 フィギュア競技予選会 少年男子 9位
第71回全国高等学校スケート選手権大会 30位
第77回国民体育大会冬季大会 スケート競技会 フィギュア競技 少年男子 22位

長野県内にある私立高校ではトップの進学校に通いながら、競技に取り組んでいます。4月から2年生になりました。
2018年に長野県で行われたアイスショー『Heroes & Future 2018 in NAGANO』でソロ演技を披露、2020年全日本ジュニア選手権に出場した実績がある選手です。

大久保選手の演技を見ると真っ先に
ノーブルさ
が印象に残ります。所作が非常に上品で、なぜだか光って見えるのですよ。エレメンツの間に多彩な技を取り入れ、それらをシームレスに滑りこなし、見ごたえのある演技を披露しています。

昨季は2種類のトリプルジャンプだったところを、トリプルルッツ(3Lz)を構成に組み込む大会もありました。今季はSP・FS共に新しいプログラムにしました。

SPは、鍵山優真選手(オリエンタルバイオ/中京大学)の振付を多く手掛けていた佐藤操先生に初めて依頼しました。
スタートのポーズからスマートさが満ち溢れ、上品な所作を活かした振り付けの数々に見惚れていきます。群衆のコーラスの曲にステップシークエンス(StSq)を充て、盛り上がる所でイーグルは大正義!と言いたくなるのですよ。もう、映画のタイトルの通りの王子様です。

FSは前のFSと同じく、駒場幸大先生が振り付けました。前回は映画『ミッション』よりの『ガブリエルのオーボエ』が流れていたら、最後の最後で映画『アンタッチャブル』よりのサウンドトラックが流れて観客を驚かせてしまうプログラムでしたね。今回は映画『遥かなる大地へ』より『The Land Race』を中心に使用しています。
スタートのポーズから凛々しさが伝わってくるでしょう。バレエジャンプをしてからジャンプなどを、常にアクティブな振り付けをこなしながら、壮大なドラマを描く姿が強く印象に残ります。正統なカッコよさに溢れるプログラムです。

どんな演技なのか気になるかと思いますよね。ここはぜひ、2022年国体の公式アーカイブ映像をご覧ください↓

出典:国体チャンネル
SP 1月24日スケート(フィギュア) (15秒のCMのあと)7:04:22~7:09:53
FS 1月25日スケート(フィギュア) (15秒のCMのあと)3:38:25~3:44:21

真面目で、品の良い演技がもう眼福ですね!来季もどうかステイヘルシーに、磨き上げた演技を披露できることを願ってます。

No.45 入江美友選手 (イリエ ミユ)

所属 Mエイトクラブ
プログラム
SP サーカス『O』より(演奏:シルク・ドゥ・ソレイユ)
FS 映画『ちはやふる ‐結び-』より『つながれ つながれ! つながれ!!』
今季主な成績
2021年関東選手権 ノービスA 3位
第25回全日本ノービス選手権大会 ノービスA 12位
第42回全国中学校スケート大会 15位

長野県内の学校に通い、山梨を主な拠点とするクラブに所属する中学2年生の選手です。来季から本格的にジュニアに参戦します。
全日本ノービス選手権に2年連続で出場、今季はブロック大会で表彰台、更には全中では長野県代表として出場し、FSに進出と飛躍のシーズンとなりました。

腕の動きの美しさがとりわけ目を惹き、表情豊かな演技が持味の選手です。昨季はトリプルジャンプがサルコウと1種類だったところを、ルッツとフリップを構成に組み込んで一気にレベルアップしました。

全中で一般のファンの前(オンライン上)で初披露となったSPは、シルク・ドゥ・ソレイユのサーカス演目『O』より2曲をつないだ音源を使用してます。前半は、綺麗な音色を拾って、しなやかに動き、後半『Tzelma』の所でStSqを充て、全身を大きく使い、躍動感溢れる滑りを披露するというメリハリが印象的でした。

今季新しくしたFSは、競技かるたを主題にした映画のサウンドトラックの中から1曲のみを使用しています。スケートでちはやふるの使用は珍しいです。
膝立ちの状態からスタートし、柔らかな音楽に合わせ、情景を伝えていく演技が印象的でした。おそらく、かるたをしている中で感じたことを表現しようとしてるのではと思いました。

来季から本格的にジュニアに参戦するということで、どんな演技を披露するのか楽しみにしてます。どうかステイヘルシーに、来季も力を発揮できますように。


長野は以上です!綺麗なスケーティングと所作の両方で魅せる選手が多いと感じています。
次のページは山梨の選手の紹介です。ぜひご覧ください💨