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東日本フィギュアスケート概論2022

【2022年版】東日本フィギュアスケート概論 第7講 宮城編part2

こんにちは!大学院修了フィギュアスケートファンのLenaです!

東日本フィギュアスケート概論シリーズ第7講、宮城編part2を始めます!(過去同シリーズは→2019年2021年)
依然有観客での大会が限られる中、2021-22シーズンは五輪もあって、フィギュアスケートに注目が集まりました。一ローカルフィギュアスケートファンとして、普段拝見する機会が多い東日本の選手の魅力をもっと知ってほしいと、講義という名のもと、記事を書かせていただきます!

北海道、青森、第5講は秋田・岩手の選手を取り上げました!第6講から2回に分けて宮城の選手を取り上げます!第7講の今回は宮城編最終講となります。4月から高校2年生~大学生になる、宮城県スケート連盟に所属する選手を紹介します。

(これまでの講義の一覧はこちらから)

※所属クラブ等のデータは2022年3月時点で、一般に公開されているものを基準にしてます。4月から所属先等変更がある場合は併記します。

それでは行きましょう!!



No.31 藤﨑鈴選手 (フジサキ スズ)

所属 東北高校
プログラム
SP アルメニア・ラプソディ
FS ピアノ協奏曲第2番 ハ短調(作曲 セルゲイ・ラフマニノフ)
今季主な成績
2021年東北・北海道選手権 選手権 8位
第71回全国高等学校スケート選手権大会 75位

宮城県内を中心に練習を積み重ねている高校3年生の選手です。
今季シニアデビューを果たしました。
昨季はジュニアカテゴリーで東日本に進出した実績があります。

パワフルでかつ足さばきスムーズなスケーティングから、繰り出されるダイナミックなジャンプ、表現が持味です。

SP・FS共に昨季から継続のプログラムになります。

SPではエキゾチックな曲に合わせた滑りが印象的でした。パリッとした音にしっかりと合わせ、ダイナミックな演技に圧倒されました。スピンやジャンプの位置が大幅に変更されていました。
FSではゆったりとした曲に合わせて、壮大なスケール感を描いていく姿が印象的でした。力強さのなかにも優美さがあり、クラシックのメロディーの調べに乗せた演技でした。

SPのみとなりますが、2022年インターハイの公式アーカイブ映像をご覧ください↓

出典:インハイTV YouTubeチャンネル
SP(3:23:16~3:28:13、指定された時間から再生します)
※ジュニア課題での実施

来季は進路を決める大事な年、どうかステイヘルシーに、納得のいく道を選べることを願ってます。可能であれば、来季もまた演技を拝見できる時を楽しみにしてます。

No.32 森本美羽選手 (ナカガワ リョウ)

所属 東北高校
プログラム
SP 映画『ラストエンペラー』より『Rain』
FS 映画『グレイテスト・ショーマン』より『Never Enough』
主な成績

2021年東北・北海道選手権 ジュニア 7位
第38回東日本ジュニア選手権 26位
第71回全国高等学校スケート選手権大会 40位

宮城県内を中心に練習を積み重ねている高校3年生の選手です。
バッジテスト6級のため、ミニマムポイントを突破した上で、ブロック大会に出場しました。今季東日本に進出を果たす等大飛躍のシーズンとなりました。

コンビネーションジャンプのセカンドジャンプにループを取り入れています。正確で丁寧な滑り、そして最大の見所はスピンです。軸が細く1点で回り、回転速度が速く、綺麗なポジションで回るスピンがプログラムを引き締め、大きな見せ場となっています。

昨季から継続のSPは、美しいメロディーに乗せ、たおやかに舞う姿が美しいと感じるプログラムです。まるで1本の線で繋がったような、エレガントな世界観に目を惹かれます。

今季新しくしたFSは、映画『グレイテスト・ショーマン』の名曲の1つ『Never Enough』をほぼ1曲使用した音源となっています。SPでよく単独で使われていますが、FSで単独で使用するのは珍しいと感じました。
後半3つのジャンプ全てをコンビネーションジャンプにし、要所で得意のスピンでフライング足替えコンビネーションスピン(FCCoSp)も含め、レベルをしっかりと取っていく構成にしています。
女性ボーカルに合わせ、美しくしなやかに思いを伝える姿が印象に残ります。

SPのみとなりますが、2022年インターハイの公式アーカイブ映像をご覧ください↓

出典:インハイTV YouTubeチャンネル
SP(25:42~30:25、指定された時間から再生します)

進路の年と重なる来季も、可能ならまた演技を拝見できればと願っています。どうか、この先もステイヘルシーに、美しい演技を披露出来ますように。

No.33 中川涼選手 (ナカガワ リョウ)

所属 仙台FSC
プログラム
SP Gopher/Drumdown Mambo(歌:イマ・スマック/Whethan Feat. Jasiah)
FS 映画『フィフス・エレメント』より『Diva Dance』
主な成績

2021年東北・北海道選手権 ジュニア 5位
第38回東日本ジュニア選手権 24位

宮城県内を中心に練習を積み重ねている、高校2年生の選手です。中学卒業後はN高校に進学しました。
2019年全日本ジュニア選手権に出場、ジュニアデビューシーズンから東日本に4年連続で出場という大きな実績のある選手です。

5種類の3回転ジャンプを飛べ、それぞれ大会で組み込んで挑戦できる力があります。軸が細くて回転速度が速く、特にエッジ系のジャンプでは飛び上がってから回転する『ディレイドジャンプ』で飛んでいます。
クールな雰囲気を醸し出し、多彩な表情と音を正確に捉えた動きが年々増してきています。

今季新しくしたSPは、前半はイマ・スマックの名曲『Gopher』を、後半に配置されたステップシークエンス(StSq)以降はGopherのアレンジ曲である『Drumdown Mambo』を使用しています。マンボのアップテンポにしっかりとハメた動きが、何度見ても楽しい!一度見たらクセになります。曲が切り替わってビートがかかり、もっとテンポが速い曲になると、更に盛り上がっていくプログラムでしたね。

FSは3シーズン継続して使用しています。映画『フィフス・エレメント』より『Diva Dance』をまるまる1曲使用しています。水色の体の宇宙人が、劇場でアリアを歌う場面で披露される曲です。今季はブロック大会と東日本でそれぞれ衣装が違っていました。
前半は不思議な感じを、後半ビートがかかってくると強くバシッと決めていく姿が目を惹きます。難しそうな曲を、クールに、スケール大きく、しなやかさも併せ持っている、そんな表現が印象的でした。

クールな雰囲気が非常に個性的に見え、1度見たら忘れられない選手です。来季はどんなプログラムを披露するのか、今からとても楽しみにしてます。

参考
出典:日本スケート連盟
第77回国少民体育大会冬季大会スケート競技会宮城県予選会 少年女子FSリザルト


次のページにも紹介が続きます。ぜひご覧ください💨

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フィギュアスケート観戦

【心に残ったプログラム覚書】 2021-22 Vol.3 東北・北海道ブロック ジュニア編

こんにちは、社会人フィギュアスケートファンのLenaです!早速心に残ったプログラム覚書、2021-22シーズン第3回、東北・北海道ブロック ジュニア編を始めます!

このシリーズでは順位等関係なく、筆者がライブ配信や現地で見れた中で個人的に印象に残ったプログラムを何個か書いていこう!という記事になります!前々回は中四国九州&中部ブロックで、前回は関東ブロック編で、今回は東北・北海道ブロック編です!1日目が関東ブロックメインで、2日目以降は東北・北海道ブロックをメインで視聴しましたが…関東だけでも、印象に残ったプログラムが多く、濃くなりそうなので記事を分けることになりました。そして、東北・北海道ブロックでも随分と多くなったため…ジュニア編とシニア編で分けることにしました😂今回はジュニア編ですね!

以下注意書きです↓

※今シリーズで紹介するのは、実際にリアルタイムで見れてかつ、ジュニア・シニアカテゴリーの選手のプログラムとします
※所属・振付師名はフジテレビスケートで掲載された『選手詳細一覧』情報を基にしています。プログラム名は選手詳細一覧を基に、筆者が選手の演技を見て独自に調査を行った結果を掲載しています

個人の好み等がありますので、様々な意見があるかと思います。それをご了承の上で、読み進めていただければ幸いです。

それではいきましょう。



2021 東北・北海道選手権大会
通称:東北・北海道ブロック、北ブロック
期日:2021年10月1日(金)~10月3日(日)
会場:札幌市月寒体育館(北海道札幌市)※無観客、FODの中継により観戦
セレクト対象:ジュニア女子SP・FS、ジュニア男子SP・FS、シニア男子SP・FS、シニア女子SP・FS


ジュニア女子

中川涼(ナカガワリョウ)選手 仙台FSC

SP:Gopher/Drumdown Mambo(歌:イマ・スマック/Whethan Feat. Jasiah)
振付:岩本英嗣

4月から高校生となりました!

SPに関しては、昨季までボンドの『kismet』を3季使用した上で、今季この新しいプログラムを披露しました!

今回筆者が最もインパクトに残ったのは、
リズム感、キレ
でしたね!

『マンボ、マンボ』や『ウッ!』と歌詞が耳に付いていくに合わせて、音ハメのオンパレード!ジャッジアピールが抜群で、テンション上がりまくりました!

後半、ステップシークエンス(StSq)に入る前辺りから、Gopherをアレンジし、ビートのかかった音源にしています!

勢いは全く止まらず、ターンを踏みながらしっかりと音ハメし、明るい表情で、画面越しのファンを魅了していきました!

最後まで踊って踊って、見てワクワクする!そんなプログラムでした!2日目の全体で見ても2番滑走とかなり早い滑走の中でも、観ていた人の気持ちが南国のようにホットになる演技でしたね!

総合5位で、4年連続となる東日本出場権を獲得しました!おめでとうございます!

毎シーズンごとに表現が輝いてきているので、東日本でも楽しみにしてます!

森本美羽(モリモトミウ)選手 東北高校

SP:映画『ラストエンペラー』より『Rain』
振付:坂本惠梨

現在高校2年生で、6級の選手です。ミニマムスコアを取得して、今大会に出場してます。
SPは昨季からの継続のプログラムとなります。

しっとりとした曲に合わせ、しなやかでエレガントなポージングを魅せつつ、次々とジャンプを降り、回転速度が速く、ポジションが綺麗なスピンを決めていきました✨

1本の線で繋がっているような曲線美

を感じさせる好演技でした!
短い曲の中で、森本選手の良いところが濃縮されたプログラムでしたね!

エレメンツの大きなミスはなく、SP6位となり、FSで最終グループに入りました!

FSもエレメンツの大きなミスなく、初の東日本出場権を獲得しました!おめでとうございます!

長岡里桜(ナガオカリオ)選手 藤女子

SP:ミュージカル・映画『エリザベート』より『私だけに』(歌:Janet Marie Chvatal)
FS:ミュージカル・映画『レ・ミゼラブル』より
SP・FS振付:横谷花絵

高校2年生で、ブロックの時点では6級の選手です。【2021年版】東日本概論 第1回で紹介した長岡柚奈選手のお姉さんになります。
8月に行われたの『SAPPORO CUP』でミニマムをクリアして今大会に出場しました。

SPはあまりの美しさに、

お嫁に行きそうな雰囲気

を勝手に感じてしまいました。長岡選手の演技を見た思い出がふと蘇ってしまいましたね。自由に、力強く羽ばたいていこうとする歌詞に合わせ、しなやかに、華麗に舞う姿に画面越しに感動してしまって…白い衣装というのも相まって、そう感じてしまいました。

FSはボーカルが無く、筆者には珍しい曲構成だなと感じました。

ボーカルが無いからこそ、滑りのドラマチックさが際立つ

そんな演技でした!楽器だけによって情報量が少なくなり、様々な想像を掻き立てられるのです。今はこういう気持ちなのかな?だからこのように動くのかな?こういう動きもありだな!等を見ながら考えるのです!

長岡選手は音の雰囲気を捉えて美しく体現しているところに、いつも感嘆しています。なので、この編曲はぴったりだと感じます!

もっと演技を観ていたい、長く観ていたいと願う選手です!本当にこういう機会に、期間が限られていますが、映像に残るのはありがたいことです。
またどこかで演技を拝見する時を楽しみにしてます!

金本カノン(カネモトカノン)選手 帯広緑陽高校

FS:ミュージカル・映画『オペラ座の怪人』より
振付:小田嶋隼

4月から高校生になり、ブロックの時点では6級の選手です。新たなクラブとコーチで今季挑んでいます!
先程紹介した長岡選手と同様、8月に行われたの『SAPPORO CUP』でミニマムをクリアして今大会に出場しました。

ファントムメインの編曲で、力強く、次々とジャンプを着氷していきました。前半ファントムとクリスティーヌとの掛け合いでは、両方の人物を演じ分け、中盤以降は場面ごとに魅せ、最後のステップシークエンス(StSq)ではスピード感、迫力とドラマチックに演じてたのが印象深かったです!

パワフルでカッコいい

金本選手の成長、そして新たな一面を見れたのも今大会で印象的でした!

またどこかで演技を拝見したいところです!どうか、思うところまで突き進められるように願ってます!

聖前埜乃華(ショウゼンノノカ)選手 八戸工大一高

FS:スウィート・ドリームス(アー・メイド・オブ・ディス)(歌:Cinematic Pop)
FS振付:本郷裕子

『奇跡のレッスン』で平昌五輪銅メダリスト、ハビエル・フェルナンデス氏に教えてもらった生徒の1人で、4月から高校生になりました。進学先が気になっていたところでしたね。同じクラブ出身で、今大会選手権女子で優勝、全日本選手権に4回出場の廣谷帆香選手(岩手大学)の後輩となりました!

SP・FS共に新しくし、大会で初披露となりました。

今回取り上げるのは、FSです!ユーリズミックスの大ヒット曲をCinematic Popがカバーしたバージョンを使用しています。

ダークな女性をクールに演じている

その姿に強烈な衝撃を受けましたね!今までの聖前選手とは180度方向性が違うプログラムでしたね!

これまでの聖前選手にはない、ダークな曲、何か裏で企んでそうな怪しい女性を演じるというスタイルに筆者は驚きました!

冒頭に肩をクイクイ動かしたり、ジャッジに向かって見栄を切ったり、スタイリッシュさが際立つ動きと、魅了ポイントが盛り沢山でした!

持味のエネルギッシュなスケーティングに、幅広いキャラクターを演じていくという魅力がどんどん付け足されていて、この先も見ていたい!と感じましたね!

昨年大会に続き、表彰台に登りました!おめでとうございます!今までとは一味違った聖前選手を、東日本でまた拝見するのが楽しみですね!

千葉百音(チバモネ)選手 東北高校

SP:ドラマ『エデンの東』より『フィナーレ』
FS:ヴァイオリン協奏曲『バタフライ・ラヴァーズ(梁山伯と祝英台)』
SP振付:鈴木明子
FS振付:宮本賢二

4月から高校生になり、所属クラブとコーチ、プログラムを変えて今大会に挑みました。

SP・FSを通じて感じたのが、

新たな一面

これを幾度も垣間見えたのが印象的でした!

SPは滑っている最中も複雑な動きをし、FSは嫋やかで上品な腕の動きから音を細かく拾っていき、ガラスのようなきらめきを発しているのが、千葉選手の新しい一面だと感じたわけなのです!

伝えようとするストーリーがはっきりと見え、洗練された所作、情感豊かなスケートにただ見惚れてましたね。

細かなところもきっちりと意味を捉え、体で表していく姿に釘付けとなりました!

ブロック3連覇おめでとうございます🥇🥇🥇
今後更に磨かれていくのがとても楽しみなプログラムだと感じました!どうかステイヘルシーに、千葉選手の目標が達成できるように願ってます!

次のページにも続きます!